33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
久しぶりに初めての楽器との出会い その2
2022-05-31 Tue 00:00
2205211.jpeg先日、明和電機の超コアファンからオタマトーンをもらった経緯を、「久しぶりに初めての楽器との出会い その1」に書いた。実はこちらのアイヌの口琴ムックリの方が3日早く手元に届いていたのだが、音を出すのには少々練習が必要だった。空振りを減らすコツは何だろう、、、練習のみか。

 →ムックリ5日目
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χ Cygも久しぶりなら一晩で4星も久しぶり
2022-05-30 Mon 00:00
2205291.gif今夜の観測:R CrB6.1等、χ Cyg6.4等、β Lyr3.3等、R Sct5.7等。今月はこれで、6夜、4星、13目測。
χ Cygは急降下するから間も無く手持ち5cm双眼鏡では見えなくなる。R Sctはここから明るくなるのか暗くなるのか?
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19年前ならまだ間に合ったのかも
2022-05-29 Sun 00:00
2205231.jpeg19年前に自分で書いた城郭訪問記に、「小学校西側の台地斜面にある神社の鳥居のところに堀があったと地元のおばぁちゃんたちが話をしてくれた」とあった。その場所の記憶がないので、きっとそのままにしてしまったのだと思う。雨上がりの爽やかな日になったので、薮へ入ることはせずにその神社の周辺だけを見て来た。2205232.jpeg鳥居の周囲はどやぶのため堀は確認できなかった。19年前の話の中ですでに過去形だったので手遅れとは思ったが、一応2022年時点で確認できなかったと記録だけはしておいた。
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昼間の金星食のライブ中継
2022-05-28 Sat 00:00
2205272.png5月27日は、13時過ぎから14時前頃まで鹿児島県南部以南で金星食が見られた。関東は直前まで大雨が降っていたが、快晴だったとしても当然見ることはできない。AstroArtsによる南さつま市からのライブ中継で観望した。朝から追尾を始めていたということで、イベント時にはかなり雲が出ていたが、問題なく全過程を中継できていた。ただ、雲によってコントラストが極めて低かったのは残念でした。
[画像はライブ中のスクリーンショット]
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やる気だけでは無理
2022-05-27 Fri 00:00
2205261.jpeg2019年以来の4日連続、できればいつ以来かわからない5日連続もやってみたかったのだが、そんな安易に行くはずなかった。
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3夜連続は2年ぶり
2022-05-26 Thu 00:00
今夜の観測:R CrB6.1等、β Lyr3.7等。5夜、2星、9目測。3夜連続観測したのはいつ以来かと野帳をめくってみると、2020年1月29日〜2020年2月1日の4日連続以来だった。
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4夜、2星、7目測
2022-05-25 Wed 00:00
今夜の観測:R CrB6.1等、β Lyr3.4等。今月は、4夜、2星、7目測とすごい?観測数。いつ以来だろうか。
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豪雨の合間は爽やかな晴れ
2022-05-24 Tue 00:00
今夜の観測:R CrB6.2等、β Lyr3.8等。近頃大気が不安定なのか、晴れているかと思うと豪雨がやってくる。今日も雨の合間は爽やかな日だった。
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次週の本拠地上田公演まで突っ走れメロス
2022-05-23 Mon 00:00
2205221.jpeg土浦の真鍋にある百景社アトリエでの『ひとり芝居走れメロス』へ行ってきた。23歳の俳優寺下雅二さんの土浦デビューのお試し上演ということで、一般:1,000円、U-22:500円という料金設定になっていたが、客席参加型の楽しい演出で、そうとうお得感ある舞台だった。次の週末は本拠地上田での公演。

百景社with犀の角 トライアル公演 
 →ひとり芝居『走れメロス』お試し上演@土浦【終了】
 →ひとり芝居『走れメロス』@上田
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復習を兼ねて平将門の乱
2022-05-22 Sun 00:00
2202042.jpeg『平将門の乱』 福田豊彦著 岩波新書 1981年 820円

平将門については数年前に若干まとめ読みをした時期があったが、少し時間が空いたので復習を兼ねて野口実先生おすすめの本書を読んでみようと思う。
本書は何が良いって、将門の一族内紛が勃発するまでの関東・東国の状況が丹念に描かれている点だと思う。先日読んだ『上総広常』で、上総氏の勢力の源泉には武器、馬具、農具の原料が豊富に手に入る地域だったことが書かれていたが、40年以上前に出版された本書ですでに、将門の本拠地付近にも同じ条件が備わっていたことが示されていたことになる。
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久しぶりに初めての楽器との出会い その1
2022-05-21 Sat 00:00
2205203.jpg先週、「明和電機ナンセンスファクトリー展 in つくば」のチラシを届けてくれた友達が、手持ちのオタマトーン差し上げますと言っていたけど、職場のポストにそれと思われるもの(下の写真)が投げ込まれていた。19日に会場で土佐社長のサインをもらってきてくれたということらしい。

2205202.jpegそのお気持ちに応えて、、、と思ったがけっこう難しい。三味線のツボシールのように脇に音階を張ると音が取れるようになってメロディーになってきた。

ともかくお礼の気持ちを込めて、早速猛練習?してお返しの一曲を演奏してみた。
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鎌倉時代の守護はどこにいたのか?
2022-05-20 Fri 00:00
2205111.jpeg『増訂 鎌倉幕府守護制度の研究』 佐藤進一著 東京大学出版会
                     1971年 3800円

 常陸国の守護八田知家の存在のおかげで歴史上最初期の守護が身近に感じられるのだが、ところで守護ってどこにいてなにをしてどのくらいの権威を発揮できたのか、さっぱりわからない。そもそも、他の国は誰だったのかも知らない。
 本書は古典的業績と位置付けられる研究書で、名鑑のない鎌倉期守護を断片的な史料から比定していった、若い研究者をして「気の遠くなるような基礎作業」の成果だと言わしめた内容で、それも戦中戦後の時期に行われていた(『鎌倉幕府と室町幕府』)。現在は、本書の方法論や内容は見直しを迫られているようだが、不遇な時代にも積み上げてきた膨大な基礎研究があるからこそ、現在の中世史の目覚ましい進展があるのだと感じる。
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自慢にはならないが、、、
2022-05-19 Thu 00:00
2205181.gif今夜の観測:R CrB6.2等、β Lyr3.8等。自慢にはならないが、1ヶ月に2夜、2星以上、のべ3目測って、いつ以来だろうか?
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本書を手に鎌倉の街を歩きたい
2022-05-18 Wed 00:00
2204272.jpeg『鎌倉の謎を解く』 伊藤一美著 戎光祥出版 2021年 1500円

「鎌倉武士の人間模様」「”かまくら”が刻んだ土地の記憶」「幕府滅亡後の鎌倉と戦国」の三部構成で、全60の話題が一話3頁ほどにまとめられている。鎌倉街歩きの予習に良さそうだ。でもいく機会はないだろう。
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課題曲探し
2022-05-17 Tue 00:00
2205163.jpeg今年の課題曲は端唄俗曲集の中から探そう。もちろん浅草ゆめ子さんが歌っている曲という条件付き。
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紫式部の予習に
2022-05-16 Mon 00:00
・王朝日記の世界
・王朝日記の世界 II
 2024年の大河ドラマは紫式部を主人公にした『光る君へ』になることが発表された。まだ1年半あるので、「王朝日記の世界」と「王朝日記の世界 II 」と合わせて全97回で予習しておくのも良いかも。

2205141.jpg「平安時代の人物表」
 と下書きを書いているときに、もう一つ素敵なものを見つけた。塩屋天体観測所の観測所雑記帳の5月12日の記事に掲載された「平安時代の人物表」という人物の歴史登場年表だ。これを見れば、平忠常、その乱を平定した源頼信、紫式部とは同時代人であることが一目で分かり、そして頼信の子頼義によって鎌倉は歴史に登場する端緒を得て、現在放映中の『鎌倉殿の13人』の幕が開く。この人物表を眺めていると他にもいろいろな物語が想像できる。

『源氏物語』執筆や道長との恋愛物語だけでなく、王朝と武門との絡みを描がいてもらえれば、その後の院政時代、平氏の時代、武門の発展など、他の時代の大河への連結性もよくなると思う、と下書きをしていたが、この人物表を見てしまったら、そうなるのは必然と思えてきた。
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iPod いよいよ終了
2022-05-15 Sun 00:00
・音楽は生き続けます
 2001年10月に初代iPodが発売されて21年、いよいよ販売終了になるらしい。これまでに購入したiPodは以下の8台。いくつも買ってきたな。現在使っているiPod touch 第7世代に不具合が出始めたらiPhoneを買うことになるかもしれない、嫌だけど。
  iPod 5GB 初代
  iPod shuffle 1GB 初代
  iPod touch 8GB 初代
  iPod touch 32GB 第4世代
  iPod touch 32GB 第5世代 初期不良返品
  iPod touch 32GB 第5世代
  iPod touch 32GB 第6世代
  iPod touch 128GB 第7世代
2205131.jpg 2003101.jpg
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読書待ち行列を飛び越える山本みなみ本
2022-05-14 Sat 00:00
2205081.jpeg『史伝 北条政子』 山本みなみ著 NHK出版 2022年 880円

 アマゾンでの予約購入本としては珍しく、奥付の発行日以前に届いた。つまり想定よりもかなり早く到着してしまった訳で、読みかけや読む予定の本の待ち行列が長く伸びているのだが、いまや山本みなみ本は読書待ち行列を飛び越える力を備えている。若い世代の日本語なのだろうか、若干てにおはで気になる箇所はあるが、文章は読みやすくぐいぐい先へと引き込んでくれる。歴史の流れを追っていく部分は前著『史伝 北条義時』と重なる部分も多いのだが、まぁ、この二人の伝記で異なる内容の歴史を書くことは不可能だろう。前著同様、『吾妻鏡』以外の同時代史料や日記などの新史料も使って、研究史の紹介→現時点での理解→新史料紹介→新たな解釈の提示という記述方法は健在だ。両著に共通する特徴としては、後代の評価と主要な研究史をまとめた最終章があるが、これはオリジナリティのある構成と評価したい。
 北条政子は、カリスマ頼朝の後家の立場を最大限に利用して周囲の期待以上に頼朝の伝統を具現化し納得させてしまう政治的・人間的力量のある人だったのだろう。頼朝の死以降、周りを固めるブレインも優秀だったが、あの程度の混乱で済んだ鎌倉幕府の政権運営の歴史を眺めるとそのように感じる。

 この後、山本みなみ氏の師匠である野口実氏による『北条時政』(ミネルヴァ書房)の刊行が予定されているとのことだが、現在進行中という校正、ゆっくり進めていただけるとありがたい。
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すでに梅雨の走りか?
2022-05-13 Fri 00:00
2205121.jpeg今夜から明後日まで雨が続く様だ。
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芥川賞受賞作品の時代
2022-05-12 Thu 00:00
2205071.jpeg『タイム・スリップ 芥川賞』 菊池良著 ダイヤモンド社
                    2022年 1600円

 戦後の時代をタイムマシンで旅をしながら、芥川賞受賞作品がその時代の特異性を映す鏡であったことを辿っていく内容で読みやすい。石原慎太郎『太陽の季節』は読んでいないが、大江健三郎『飼育』、中上健二『岬』、村上龍『限りなく透明に近いブルー』まではついていける。その後は読まなくなったなぁ。
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霞ヶ浦南岸に勢力を張っていたあの武将の動静を調べる
2022-05-11 Wed 00:00
『鎌倉殿の13人』は登場人物が多いので、全国に地元ゆかり人物が一人くらいは見つかりそうだ。これこそThe大河ドラマだと言っていた友達もいる。そして、地元ゆかり人物については、贔屓するしないとは別に事績を知りたいと思うのではないだろうか。私の住んでいるところでいえば、ドラマには登場しないが、頼朝、範頼、行家、義仲、八田知家、八条院などと関係がありそうな武将に源義広(志田三郎先生)がいる。源為義の子なので義朝の弟、つまり頼朝の叔父になる。反頼朝の兵を挙げたが野木宮合戦に敗れ、木曾義仲に匿ってもらうが義仲の敗走の途中で討死する。先日足利の帰り日で立ち寄った野木神社周辺が野木宮合戦の比定地だが、その合戦の場で義広、範頼、知家は顔を合わせているらしい。そして、霞ヶ浦南岸のどこかが義広の本拠なのだが現時点では確定できる情報は何も無い。

2204223.jpeg『鎌倉武士の実像』 石井進著 平凡社 2002年 1500円
 野木宮合戦の年時についての基本論文が収録される大御所石井進氏の本書は押さえておこうと思う。

シリーズ・中世関東武士の研究 第14巻
『源範頼』 菱沼一憲編著 戎光祥出版 2015年 6500円
 野木宮合戦についてかなりのページを費やし、志田義広だけでなく、範頼、知家、小山氏などの動きに新解釈を提示している。
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憲実様に感謝
2022-05-10 Tue 00:00
2205092.jpg・足利学校の国宝の漢籍 日中の研究者が連携してカラーで刊行
 足利学校の漢籍がこんな形で日中の現代に蘇るとは、中興の祖である関東管領上杉憲実に感謝したい。国宝4点のうち3点が憲実・憲忠父子寄進によるものだが、さらに注目されることを期待したいのは、『学規三条』『置五経疏本条目』など書籍取り扱い規則も同時に整備しておいてくれた憲実の功績だ。この偉大な武将・学者がさらに評価される機会になって欲しいと思う。

2205091.jpeg足利学校遺跡図書館で開催中の企画展『上杉憲実と足利学校』は5月29日まで。
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中世の北海道への橋渡し
2022-05-09 Mon 00:00
2202044.jpeg『中世奥羽の世界 新装版』 小林清治・大石直正編
               吉川弘文館 2022年 3000円

 最近お城仲間のウモさんが北海道道南を2週間回りながら、チャシ、台場、陣屋、城館を120箇所ほど紹介してくれていた。それを見ながらまた函館へ行きたい気分になってきたところだ。

 ウモさんの写真の中に上ノ国町の花沢館の解説看板の写真があった。自分が初めて行った21年前と同じものだが改めて読み直してみた。『新羅之記録』に館主蠣崎季繁や客将武田信広が出てくると書かれているのは良いとして、別な記録によれば小山隆政の館ともいうと書かれている。小山隆政といえば、小山氏の乱で敗死した義政の子で、若犬丸本人または兄弟かと言われる人物なので、そうであれば小田氏とも非常に接点がある。地元の話が北海道上ノ国とも直結しているとは驚いた。

 本書がどこまでその件を解決してくれるかはともかく、久しぶりに北海道道南の中世史が気になったのでざっと目を通してみようと思う。
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4月の晴天日数
2022-05-08 Sun 00:00
____07年08年09年10年11年12年13年14年15年16年
すごい空 0夜 0夜 0夜 0夜 0夜 0夜 0夜 0夜 0夜 0夜
3等星級 8夜 8夜 5夜 0夜 7夜 4夜10夜11夜 6夜 7夜
1等星級 4夜 2夜12夜 9夜 6夜 7夜 0夜 6夜 2夜 4夜
____17年18年19年20年21年22年
すごい空 0夜 0夜 0夜 0夜 0夜 0夜
3等星級10夜 8夜 6夜10夜12夜 7夜
1等星級 3夜 3夜 4夜 2夜 6夜 4夜
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遺物の苦手を突破するきっかけになるか
2022-05-07 Sat 00:00
かわらけの編年を研究されてきた方から論文抜刷をいただいた。知識の乏しい分野なので拝読後の感想をまだお伝えできていない。次にお会いする時には何か共通の話ができるようになっていたいと、そのようなことを考えてこの本を手に取ってみた。

2203091.jpeg『中世かわらけ物語』 中井淳史著
             吉川弘文館 2022年 1900円

 発掘調査の現場でも、調査報告書でも、展示会でも、遺物はその遺跡を語るための重要な資料として提示される。その中でも焼き物は時間経過の影響が少なく遺跡の時代や地域間交流を推定するための要素として重要だが、大陸渡来の舶来物は威信材くらいまでしか知識がない。この本を読んでこの苦手意識を多少なりとも解消したいと思う。特に、中世城館での宴会用の紙コップ的使い捨て容器と例えられるかわらけはどこの調査でも必ず出土する遺物なので、これについての知識は汎用性がありそうだ。
 かわらけ(土器)は、土師器の中でも特に中世に作られたもので、低温焼成なので特別に高度な技術を必要としないため地産地消されていたようだ。西国のかわらけ工人について書かれているが、一方で近代の例が示すように女性が行う家内制手工業的生産物だった一面もありそうだ(島田貞彦『山城幡枝の土岐』(1931)の昭和初期の作業写真は貴重)。そして、本書でもっとも興味深かったのは京風かわらけについてだ。もともとロクロ成形かわらけが作られていた常陸国だが、ある時期だけ京風の手づくねかわらけも作られる期間があるという。今後は出土遺物を見る際に注目したいと思う。
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研究史を読むことがテーマの一般書
2022-05-06 Fri 00:00
2204172.jpeg『鎌倉幕府と室町幕府』
    山田徹・谷口雄太・木下竜馬・川口成人著 光文社新書
                    2022年 860円 

 けっこうベタなタイトルの本だが、その両幕府についての研究史で押して押して押しまくってくるなかなかマッチョな内容だ。程度の差こそあれ、一般読者向けの本でも論拠が求められる度合いが高まっている最近の傾向に応えるものだと感じる。一方で、SNSなどの場では一般人でも研究内容批判をする時代になっていることに対して、せめて関係するところくらい目を通しておいてくれという研究者側からの要求とも言えそうだ。

 鎌倉幕府が北条氏による見事な傀儡政権になったのに対して、室町幕府は将軍-家宰-管領の関係が際どく傀儡化を防いだのかもしれない。本書とは関係ないが、鎌倉公方足利成氏が関東管領上杉憲忠を誅殺して享徳の乱を起こしたのは、家宰長尾氏のコントロール下に置かれてしまった憲忠を切り捨てることで長尾氏の強大化、引いては鎌倉公方の弱体化への芽を摘むことを優先させる意図によるものだったのではないかと感じる。ただ皮肉にも、28年にも及ぶ戦乱は、公方も長尾氏も上杉氏をも弱体化させ、戦国時代への扉を開いてしまっう結果になった。
 鎌倉時代の守護はその権力を行使できる範囲が限定的だった件は、小田氏を考えるとわかる感じがする。また室町時代の守護については目から鱗だ。一部の境界となる国を除くと守護は各国にいたわけではないようだ。鎌倉時代はどうだったのだろうか。おまけに守護大名の用語もいまや昔のことになったとある。
 鎌倉幕府が絶頂期を過ぎた安定期に突然滅亡してしまった理由はよくわからないというのが現時点での結論というのはおもしろい。対して、室町幕府については、応仁・文明の乱の後の戦国時代100年間をなぜ存続し続けられたのかの議論を経たのちに、なぜ滅んだのかの議論への流れが明確になったと評価している。

 本書はコンパクトながら、関連分野の他の書籍を読む場合にその著者や展開する論が研究史の中でどのように位置付けされているのかを見通しよく示してくれるのではあるが、他方で、過去に積み上げられてきた研究を真面目に辿ろうとするとその膨大さに立ち往生してしまいそうでもある。
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メンテ不足
2022-05-05 Thu 00:00
2205031.jpeg外見はあまり変わらない観測小屋なのだが、かなり劣化が進んでいるのを発見。これはまずい。棟梁に連絡。
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一躍脚光を浴びた上総広常とは何者か
2022-05-04 Wed 00:00
2204271.jpeg『上総広常』 千野原靖方著 戎光祥出版 2022年 1600円

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での上総広常ロスを慰めるために手にしたわけではなく、頼朝挙兵時に北条氏が集められる兵が数十とか言っていた時代に、万の単位の軍勢で参向することができた上総氏の経済的軍事的基盤について知りたくて読んでみた。それは平将門、平忠常そして上総広常へと繋がる共通する地域的アドバンテージに関係していた様だ。平将門についての記述では、乱の経過が現在の地名でかなり細かく辿れる内容なのも良かった。磨墨のエピソードや相馬御厨問題についてはン?というところもあったが、全体通して読みやすい本だった。
別窓 | 城郭・郷土史 | コメント:8
2022-05-03 Tue 00:00
2205021.jpg夕方、土浦の亀城公演前で見た虹が見事だった。

今夜の観測:β Lyr3.7等。
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城歩きシーズン終了フラグが立った
2022-05-02 Mon 00:00
例年、5月の連休頃までにはお城歩きの林の中で蛇に遭遇することが多いのだが、それをきっかけにお城歩きシーズン終了ということにしている。昨年は茨城県の調査最終シーズンだったため、真夏でも薮に入らざるを得なかったのだが、よくしたもので蛇には一度も出会わなかった。今年はというと、一週間前にお城を見せていただいた旧家の軒先で大きなヤマカガシに遭遇した。これで今季の城歩きは終了ということにした。昨年のこの時期にこんなのに出会っていたら縄張図70枚などとうてい達成できなかっただろう。蛇の神様に謹んでお礼を申し上げたい。
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