2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
遣隋使は対等関係を希望したのか?
2022-02-13 Sun 00:00
2201222.jpeg『古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで』 河上麻由子著
               中公新書 2019年 880円

「2021年濱田青陵賞受賞」「最年少受賞」「古代歴史文化賞優秀作品賞」だけでも十分目立つのだが、そこに「日本は対等を主張し続けたか」というある一群を挑発するようなコピーが加わり、さらに著者のプロフィール写真がどーんと印刷されている赤い帯。また、本書の関連記事であるweb中公新書の『古代日中関係史』/河上麻由子インタビューの最後では、「特定のイデオロギーを正当化するため、自分が欲しい情報だけを切り取る風潮を危惧する」と語っている。あの手の一群からのイチャモンは覚悟の前という潔さを感じる。

仏教を突破口にして、推測を根拠にした解釈をせずに、遣隋使の意味を再評価し、その後の時代の倭国の立ち位置を述べるのが本書の本質だと感じた。そして、最終章に相当する「おわりに」のそのまた最後に書かれている、「近代外交の立場から国定教科書で対等な外交とされた遣隋使が、史実として隋と対等な関係を構築しようと試みたのか否かーーー。あらためて本書で確認してもらいたい。」という部分が最も重要な問題提起になるだろう。前半に相当する、第1章「倭の五王の時代」と第2章「遣隋使の派遣」は、分かりやすい文章でテンポ良く読めたが、後半の第3章「遣唐使の15回」と第4章「巡礼僧、海商の時代」は唐の盛衰を追うのに疲れてしまって飛ばし読みになってしまったが、しかし、本書は前半だけでも十分に読む価値がある一冊だと感じる。

[追記]いにしえ人の声に耳を澄ます
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