
『中世の北関東と京都』 江戸郁夫・簗瀬大輔編
高志書院 2020年 6000円
本書に「永享三〜四年の都鄙間交渉からみた上杉憲実」が掲載されているのでとりあえず買って読んで、その後でその他の論考のタイトルを改めて眺めてみた。例えば、「常陸平氏の成立に関する試論」は現在土浦市立博物館で開催中の特別展『東城寺と「山ノ荘」』を見るときの参考にもなるジャストオンタイムな内容だったし、「織田信長と常陸国」は贈答に関する部分で地元と関わる記述があり、今後調べておきたいネタの種があった。そういうわけで、期待した数倍のおもしろさが詰まった一冊だったと言える。