2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
来たるべき世界の姿を垣間見る
2021-02-15 Mon 00:00
2101291.jpg 「レジ袋削減でエコバッグ?マイボトル?ハイブリッドカー?はっきり言おう。その善意だけなら無意味に終わる。それどころか、その善意は有害でさえある」とか「しかし、〇〇をも、マルクスが超えていったことを予告しておこう。」とか「△△でさえも、この真の意義を見逃している。その重要性は、△△が指摘する以上のものだ、というのが本書の主張である。」とか「〜というだけでは、あまりにお粗末ではないか。本書はもっと先に進まねばならない。」とか「一見すると、同じ様な要求は、旧来のマルクス主義者たちによっても揚げられてきたように思われるかもしれない。しかし、その最終目的地点は全然違ったものになることが、すぐに判明するはずだ。」とか、先を読まずにはいられなくさせられる。神田伯山の講談を思わせる挑戦的な言葉を選び、聴く人・読む人を掴む語りの力を感じる。ともに三十代というのも単なる偶然ではないのかもしれない。
 科学の世界には、古典物理学の常識では説明できない現象に遭遇した時、論理的な思考を武器に非常識を受け入れる事で現代物理学の世界へ移行できたという成功体験がある。経済発展至上の資本主義がもたらした危機的な状況から抜け出せるかは、違う世界を想像できる力があるかにかかっているように思う。本書を読んだからといってお手軽に処方箋が手に入るわけではないが、心を揺さぶる力のある本だ。いくつか萌芽の例を挙げておいたからここから先は柔らかい頭で一緒に考えようと言っている感じがする。発行から5ヶ月ほどで20万部のベストセラーになり「新書大賞2021」も受賞したのはそう言う姿勢が通じているからだろう。想像から創造への可能性を見せてくれる本であるが、一方で受け入れたくない立場の敵をたくさん作ってしまうだろうが、ともかく、未来への希望、オーネット・コールマン風に言うとThe Shape Of World To Come(来たるべき世界の姿)を朧げながらも提示してくれる稀有な存在だと感じる。

 →『資本論』に新しい時代の息を吹き込む
 →熱感あるうちに『資本論』入門
 →近未来の世界を想像するための入門書
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