2021-02-15 Mon 00:00
![]() 科学の世界には、古典物理学の常識では説明できない現象に遭遇した時、論理的な思考を武器に非常識を受け入れる事で現代物理学の世界へ移行できたという成功体験がある。経済発展至上の資本主義がもたらした危機的な状況から抜け出せるかは、違う世界を想像できる力があるかにかかっているように思う。本書を読んだからといってお手軽に処方箋が手に入るわけではないが、心を揺さぶる力のある本だ。いくつか萌芽の例を挙げておいたからここから先は柔らかい頭で一緒に考えようと言っている感じがする。発行から5ヶ月ほどで20万部のベストセラーになり「新書大賞2021」も受賞したのはそう言う姿勢が通じているからだろう。想像から創造への可能性を見せてくれる本であるが、一方で受け入れたくない立場の敵をたくさん作ってしまうだろうが、ともかく、未来への希望、オーネット・コールマン風に言うとThe Shape Of World To Come(来たるべき世界の姿)を朧げながらも提示してくれる稀有な存在だと感じる。 →『資本論』に新しい時代の息を吹き込む →熱感あるうちに『資本論』入門 →近未来の世界を想像するための入門書 |
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