
ここをご覧の読者のみなさんは、新しい履物を下ろすときに、何かおまじないのようなことをしないだろうか?
私はいまでも母から教わったことをやっている。
それは、履物の底にペッペッと唾をつけてから玄関に下ろすこと。
ただ、母には、なぜこの様にするのかという理由と、誰から教わったのかを聞きそびれてしまった。同じ様なことをする人はいるのだろうか、それとも母だけのオリジナルだったのか。
私の母は、昭和一桁生まれで東京北区出身、埼玉県入間郡出身の明治十年代生まれの父と八丈島出身の明治二十年代生まれの母を親に持っていた。このどこかに源泉があるのだろうが、今となってはわからない。似たようなまじないを覚えている人がいれば教えて欲しいと思っている。