2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
小字を廃止してはいけない
2018-07-15 Sun 00:00
・廃止される小字
 →小字の廃止について
 →小字の廃止一覧
1807141.jpg 地籍調査事業の円滑な推進が小字廃止の理由と書かれているが、情報量が減ればあいまいさが増えるのは数学上の話で、行政上はそうではないのだろうか、不思議すぎる。今回四国中央市の例が目に止まったが、全国でどんどん同じ様なことが進んでいるのだと思う。歴史的文化的民俗的地球史的財産であるこうした小字を現代人の狭い世界観で不要と勘違いして捨ててしまうことは子孫への罪になることに思いをいたすべきだと思う。お城の本の最後で、共同執筆者である友人(故人)の言葉を次の様に引用したことがある。《「記録の存在しない地域にとって、地名は地形と共に地域の過去を語る貴重な証人であり、古文書である。(中略)将来再び歴史を振り返るとき、地域の過去を語る1級資料として蘇るはずであり、現在の我々には地名を後世に伝えていく重い責務が課せられていることを忘れてはならない。」地名が示す本来の意味が解明できれば、戦国の人々が構築しようとした本当の城の姿に迫ることが出来る、これが石﨑勝三郎から私たちへのメッセージと宿題である。》小字はその土地が過去どの様に利用されどの様な歴史を辿ってきたのかという自然と人との関わりの記録でもある。それを丹念に調べれば災害の危険性を推測できる場合もある。使用することを禁止するものではないと書いてはあるが、それならば廃止せずに運用方法で対処すればいいことだと思う。そうでなくても以前ほど使われなくなっている時期に廃止のバイアスをかければこれまで以上の速さで消えてしまうだろう。せめて人々の記憶にあるうちに、これらすべての小字の位置と範囲を記録しておくことが、廃止よりも先に行政がやるべき緊急の作業だと思う。
[右画像は四国中央市で廃止される小字一覧表15ページ中の5ページ分]
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