2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
星地名は災害に強いのか?
2018-01-13 Sat 00:00
1712242.jpg『星地名』 森下年晃著 無明舎出版 2011年 1890円(税別)

 古くから使われてきた地名の中にはその土地の性質を表すものがあって、それを解読できれば将来の危険を避けることにもつながるといったことはしばしば耳にする。本書は東日本大震災を経験した著者の願いが込められた本の様である。本書の要点を一言で言えば「縄文人が星に関連した地名を付けた場所は災害を受けにくい」ということらしい。
 縄文人が命名した星地名には「星」の他にも、細、押、遅、打、内、乙、音、牛、市、一、程、保土、保津と表記されているものなど多数あるという。ただ、縄文語の理解が無いと真偽の判断はできそうに無い。次に、星地名の多くは縄文時代に行われた方位測量によって誕生したという。それは3対の目標地形を結ぶ3本の線の交点など幾つかの条件を満たす地点になるらしい。そして、著者が星地名と考える地点は2011年の大震災で揺れや津波による大きな被害を受けていないらしい。
 という内容を知った上で、第1章「星地名とは」から読み始めたが、数回読み返しても納得感を得るには至らず、立ち往生状態になっている。全てが仮説の積み重ねで、証明が無いからかもしれない。星地名は災害を受けないという仮説も、危険な場所にあった星地名は早い時期にすでに災害を受けて消滅してしまった可能性も否定できないが、その証明もなかなか難しそうだ。
 ネット上には、本書をトンデモ本と評しているコメントもあった。確かに、仮説に仮説を積み重ねていく内容なので評価は難しい。しかし、掲載されている多数の「星地名と浸水範囲地図」を眺めていると、仮説と証明は成立していなくても、著者が星地名とする地点が2011年の大震災の津波を免れていたことは確かのように感じられる。縄文語や縄文人の方位測量などの証明困難な仮説を介在させずに、津波被害に遭わなかったのは上記の文字(あるいは音)の地名が落ちている場所ということを出発点にしただけの方がむしろ説得力がありそうに思われる。
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