
書類の片付けをしていると懐かしい物が出てきてつい手が止まってしまう。これは写研時代に書いた社内論文と、参考文献に使った当時(どうやら現在でも)ソフトマンのバイブルだった『ソフトウェア作法』。
カーニハン&プローガー『ソフトウェア作法』
木村泉訳 共立出版 3800円 1981年
論文の方は名ばかりで「ソフトウェア開発上の問題点」と題したレポート。メンバー内で目標が共有されていないプロジェクトではソフトウェア開発基盤がいかに脆弱にならざるを得ないかを示し、改善への提案を書いてみた。などと言うともっともらしいが、自分の力不足を棚に上げて上司の企画力を批判しているだけとも言える。その時すでに辞職するつもりだったので、所属するプロジェクトの長への批判を思いっきり書いてしまった。
『ソフトウェア作法』は、ここにいても将来性のある正統派の開発環境は望めそうにないと、早々と見切りをつけさせてくれた、今にして思うと人生の決断に力を貸してくれた本だったことになる。