いつかどこかへ投稿しようとブログには書かずにいた駄句が溜まってしまったのでホコリ叩きと思い、この秋は3つの俳句イベントへ投句した。それらがすべて終わったのでようやくここに書くことができる。笑われそうなくらい昔のものもある。

★写真&俳句のコラボレーション展(神立)
秋桜に誘われたどる仏道
宝篋山ハイキング。小田休憩所の周りの秋桜に見送られ、極楽寺コースを登り、常願寺コースを下りてきた。4時間40分。このフォト俳句は、左上山頂の電波塔に気づいてもらって→宝篋山→その南麓、極楽寺跡と連想していただけると、仏道の意味が通じるという壮大な(無謀な)趣向が隠されている。(2015年10月13日)
★第17回小野小町文芸賞(土浦)
星めぐり 八月尽の歳還
玉青さんがブログで「八月尽」を取り上げていたのでさっそく頂戴した。八月尽は私の誕生日。(2016年08月31日)
佐渡に来て 今宵は頭上の天の川
佐渡では両津港近くで裏庭が加茂湖に面している宿に泊まった。明治35年築の元遊郭だったという建物はなかなか良い雰囲気を醸し出していた。近くの路地から加茂湖の汀へ出ると、南西の水平線に横たうさそり座からカシオペア座まで頭上に天の川のアーチが架かっていた。天の川が佐渡に横たうと詠んだ芭蕉の句はあまりに有名だが、出雲崎からは佐渡に横たわって見えていた天の川は、佐渡では天空にアーチを架けているこの天の川だったのだ、なんてことはないのだが、加茂湖の水平線から湧き上がるような見事な光景は忘れられないだろう。(2016年09月03日)
夕凪に魚跳ね遊び秋の声
仕事帰り、目を休めに霞ヶ浦の堤防に立つ。海風が涼しい。凪いだ水面に魚の跳ねた波が立つ。サギ、アオサギが岸で餌を食い、鴨はのんびり湖面を滑る。(2016年09月10日)
大水の記憶一筋樫垣根
鬼怒川決壊から一年。まだまだ元どおりとは言えないと思う。壁の泥も生垣の泥もほとんど消えてしまったかもしれないが、剪定する余裕の無い生垣を斜めから見れば、あの日の記憶が浸水のラインと共に蘇る。(2016年09月11日)
★布川一茶俳句会(利根町)
秋風を身に纏いつつ初すばる
台風9号一過の爽やかな日が過ぎ透明度の良い夜がやってきた。(2010年09月09日)
天狼も軒を離れて秋深し
隣家に隠れていたシリウスが漸く軒から離れて見えるようになって来たということは、もう秋も深まり冬の寒さを感じる季節になったということでもある。(2010年11月01日)
東天に輝星揃いて風凍る
長らく観測小屋での観測をしていないが、MacBookAirでの制御可能の確認をして小屋を閉めると頭の上には冬の星々が勢ぞろいしていた。(2015年11月12日)