
鉾田の大竹海岸へ行ってきた。鹿島灘に面した県内有数の海水浴場だが、7月の平日はまだ人もまばらで、海の家の準備に追われている時期だ。この海岸の砂丘にはかつてはまゆり(すかしゆり)のみごとな群生があったと聞く。開発や乱獲で見事に絶滅したのを、個人で苗を育ててコツコツ移植を始めた人がいた。最初の頃は、毎年毎年植えても植えてもすぐに摘まれて何も残らず、毎年ゼロから植え直していたという。

それでも次第に協力者が増え、地元へ輪が広がり、小学校の活動としても取り入れられ始めた(NPO鉾田はまゆりの会という組織がその現在の姿のはず)。増えてくると少々盗られても無くならないし、また群生になると却って盗られないんだよね、とその人は笑っていた。共通の趣味の城郭歩きでお世話になっていたが、2013年秋、定年退職してわずか3年で亡くなってしまった。

お元気だったころから、今年こそは見に行くと言いながら果たせずこんなに遅くなってしまった。海の家の準備をするおばちゃんに話を聞いたところ、今年は小さくて少ないとのことだ。しかし、砂丘の草むらにポツリポツリと咲く花の周囲にも、ゆりの小さな芽はたくさん生えていた。きっと来年は見事に咲くだろう。
下は大竹海岸パノラマ:左手北側は大洗から那珂湊、右手南側は鹿島工業地帯まで見渡せる。


おまけ:大竹海岸付近(もう少し南)はハマナスの南限だそうだ。