古典芸能ネタをもう一つ。
この前の休日、行方市の大きなお城へ調査に行き大藪を歩き回ったので、土浦の湯楽の里で一風呂浴び、いつもの喫茶店に寄って、食事とおしゃべりをしてきた。
ようよう暖かさが増して、梅の花もそこかしこに咲いて、ウグイスやシジュウカラのサエズリが聞こえていましたよという話からキジは国鳥、ならば茨城県の鳥は?というなぞなぞ合戦がここから始まる。

そう、県の鳥はひばり。では県の花は?梅ではなくてバラ。鳴門市のマークをひっくり返したようなのがバラをデザインした茨城県のマークと知って笑った。左が茨城県章で右が鳴門市章。しかし、よく見ると渦の向きがL型とR型なので、ひっくり返しただけでは重ならない。では、梅は?梅は県の木。オーナーの故郷宮城県の木はけやきだそうだ。
宮城県の木に話が移ったので、ここで桂米朝の落語で聞き覚えていた『伽羅先代萩』御殿場の超級ダイジェスト「千松死んだか千年万年辛苦艱難先代御殿」を一下り。忠義のために我が子を犠牲にする人形浄瑠璃・歌舞伎で有名な段だ。それを聞いて客の一人が「それは『菅原伝授手習鑑』の寺子屋じゃないの」と受けてくれる。それも武家の忠義ということでは同じテーマの話で、実は前日に牛久市生涯学習センター文化ホールで『菅原伝授〜』を文楽で見てきたところですよと言うと、今度は向かい側にいた若い女性客から「文楽大好き、行きたかった」の反応が。歌舞伎や浄瑠璃の話でこんなに盛り上がれる人たちに会ったのは初めてだ。

そのあとは、土浦城や間組の薪能の話から、能と狂言へ話が移って、能は死者があの世からこちらの世界へ戻って来て舞台の上で恨み辛みを語るのが一般的な形だという話になったときに、それまで話を聞くだけだったご老人が突如「思いついた!能Cafeなんてどうです。店内を暗くして誰かにスポットライトを当てて恨み辛みを語ってもらう、、、。」そんな怖い喫茶店流行らないよという意見の一方で、恨み辛みを腹に抱えていて吐き出したい人たくさんいるだろうから、いまという時代に相応しいアイディアかもしれないね、という意見も出る。飛び入り歓迎、面をつけていれば語りやすそうだし、、、。