2015-01-23 Fri 00:00
![]() Wikiにも載っていないと書いたが、ネット上にある『ANO・ANO』情報としては、連載時の編集担当だった『月刊宝島』編集部の村松恒平氏のページくらいしか見つからない。「女子大生の本音」ということで一時は社会現象にまでなり映画化もされた『ANO・ANO』だが、今では覚えている人も少ないだろう。そうそう、『ANO・ANO』著者・宮村裕子は宮村優子の本名で、高校の2年下の学年ということを知ったのは卒業した後のことだ。 →映画『ANO・ANO 女子大生の基礎知識』 『ANO・ANO』は女子学生の本音、特に性に関することを開けっぴろげに語ったという点で画期となった一冊だった。1980年発行だが『月刊宝島』に連載されたのはそれよりも1年ほど早い時期だろう。今ではなんでもないような内容を「開けっぴろげに」とは言いながらも相当「肩肘張って、むきになって」語っていたことが伺えて面白い。 『ANO・ANO』は性に関わる本音話の他にコラムもある。例えば、「放課後の帰り道がよく一緒になった。詩や小説やレコードの話かなんかをしながら、キャベツ畑に囲まれた田舎道のような駅への道を二人で歩いた。帰り道の思い出で印象的だったのは、駅のホームでの話。高校のある井の頭線の駅のホームはひとつしかなくて、私は吉祥寺方向への、その人は渋谷方向への電車を待っていた。」のところを読んで、井の頭線浜田山駅と通学路を懐かしむのは自分に近い世代の同窓生と確信した。 それから、『ANO・ANO II』の中では、初めて古典を習った斎藤先生の思い出を語るコラム『S先生の伊勢物語』は感動的だ。先生の風貌や「梓弓ま弓槻弓年を経て」の段を講義する風景などが眼に浮かぶ。また、同窓会で再会した初恋の彼も斎藤先生が好きだったと知って「私は、この人を好きだったということを、S先生が好きだったことと同じくらい誰かに誇りたい気がした」という下りは共感できる。私がその斎藤先生に習ったのは現国だったが、特に映画公開1年前の『デルス・ウザーラ』を題材に、文明とはについて熱く語ってくれた講義は実に迫力があったなぁ。 |
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