33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
光害がきたとき
2013-10-25 Fri 00:00
1310222.jpg忘れもしない3月26日、帰宅して車から降り見上げた北東の空が夜だというのに煌煌と光っていた。地元にある大企業(N社とする)の社屋壁面にLEDライトの社名看板が設置されたのだ。とうとうこの日が来たか、、、それが最初の感慨だった。観測小屋からは自宅の屋根に遮られて直接光源は目に入らないが、屋根越しに光芒は大きく拡がり、北斗七星もカシオペア座も見えなくなった。いて座からペルセウス座まで天の川のアーチが架かる夜も数年に一度程度はあったが、今後は望めないことと諦めた。そこからの3ヶ月間は夜毎ため息をつきながらの星見だった。

趣味と企業活動、話にならないことは覚悟の上でN社宛に「地元に星を見ている者が居ること、LEDライト設置で星が見えにくくなったことをとても残念に感じていること」を伝え「主要な流星群や大きな突発現象の夜だけは消灯ないし減光をしてもらえないか」という手紙を出したところ、さっそく、お話をしましょうという返信が届いた。

1310223.jpg7月1日、N社側担当者お二人と面談。先方からの提案は、
(1)毎晩22時以降の消灯
(2)あらかじめ連絡がある場合は夕方から終夜消灯
(3)本日から実施
というもので、予想していた以上にご理解のある回答にかえって驚いた次第。

N社は地域共生をポリシーに掲げている企業と耳にはしていたが、今回それがたいへん幸運な形で働いた。また、クレーム目的ではないこちらの残念な気持ちを巧く伝えられたのも良かったのだろう。すべてに応用できる事例ではないが、何かのご参考になればと思う。

その後も、食事会のお誘いやら地元で撮った天体写真のご利用やら、N社とは友好的かつ発展的にお付き合いが進んでいる。
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| 霞ヶ浦天体観測隊 |

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