2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
ピリオディックモーションを測ってみた(続き)
2013-10-16 Wed 00:00
1310061.jpgかすてんま(EM-200Temma2M)のピリオディックモーションを測ったところ、±6.9″という値になったことをこの前の記事に書いた。

この値はどの程度のものか気になっていたのだが、TOAST Proは±7″以下(因に初代TOASTは±5″以下)だし、自動導入機になってからのEM-200の±6.9″はまずまずだろうというご意見もいただいている。

そこで、そもそもピリオディックモーションが気になるのはノータッチガイドをしたいがためなので、何秒以内ならば点像に写るかを計算してみた。

EdgeHD800x0.63の焦点距離はf=1280mm、撮像素子面での許容誤差長をy(mm)とすると、許容誤差角α(°)は α=arctan(y/f)となる。
ピリオディックモーション±6.9″(周期8分)ということは、4分で最大13.8″振れるということだから、α(°)振れる許容時間(秒)は、撮像素子面での許容誤差長を何mmとするかによって以下の様になる。

許容誤差長y(mm) 許容誤差角α(°) 許容時間(秒)
   0.01      1.61       28秒
   0.03      4.83     1分24秒
   0.05      8.06     2分20秒

許容誤差長が0.03mm程度とすれば、1分30秒では星像が流れることは少なく、2分になると半分は流れるという実際の印象とも一致する。また、山は均一でなく平坦な部分もあるのでそのタイミングに重なると2分でも流れない場合があることとも合致している。

つまり、横着ノータッチガイドを踏襲し、かつ星像が流れない写真を歩留まりよく撮りたい場合には、露出時間は1分30秒以内に収めるしかないことになる。

これでも気になる場合には、ガイド鏡による補正あるいはオートガイドにしなくてはならないということだろう。

[参考]追尾に必要な精度と赤道儀
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