33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
これを機会に新星入門
2013-08-24 Sat 00:00
日本時間の8月14日夜に頃板垣公一さんが発見したいるか座新星。1975年のはくちょう座新星V1500以来、38年振りに明るさ・位置・時期の三拍子が揃った観測し易い新星が現れたということで変光星業界は活気づいている。15日以降は観測報告が続々と集まり、一日当たりの報告数は普段の5倍近いのではないだろうか。また、今回新たに観測者符号を発行された方も20名以上はいると思われる。なんか嬉しい気分。8月18日午前中には『いるか座新星はいるかな? みんなで光度曲線をつくろう キャンペーン』が急遽始まり各方面で案内された。ホームページの内容も日々充実して来ている。これを機に多くの人が変光星に興味を持ってくれてさらにその中から観測者として仲間に加わってくれる人が増えることはとても喜ばしいことだ。

では、「ところで、新星ってどんな星?」と言われるとそう簡単には説明できない。meinekoさんが「新星入門」的記事を目指して、新星新星爆発について書いてくれたが、けっこう苦戦されているところを見ると一筋縄では行かない存在のようだ。私は先日UZ BooやSS Cygが増光した時に、矮新星と古典的新星の違いをちょこっと復習した程度。

[入門1]矮新星と古典的新星の違い
 白色矮星と恒星で構成される連星系で、恒星から白色矮星へ移動した物質が
 降着円盤を形成。不安定になった降着円盤内の物質が白色矮星上に崩壊する
 ときに大量の重力位置エネルギーを放出して明るくなるのが矮新星、降着円
 盤内で核融合を起して明るくなるのが古典的な新星。(日本語Wikiレベル)

1308212.jpgこの機会に新星のお勉強をしておこうと思うが、日本語の教科書としては『シリーズ現代の天文学7 恒星』だろうか。結構ハードル高そう。その前に『シリーズ現代の天文学1 人類の住む宇宙』の新星の項を見たらこんなことが書かれていた。

[入門2]新星と標準光源
 新星がもっとも明るくなったときの絶対等級と、最大から2等級暗くなるまで
 に要する時間との間に相関があることが分かっている。この関係を用いて、新
 星の絶対等級を推定することが可能であり、新星も標準光源となる。
ということは、4.4等+2.0等=6.4等になるのがいつなのかに注目ってことだ、へぇ!8月26日頃と予測しておこう。

[入門3]『シリーズ現代の天文学7 恒星』を読む前準備
キャンペーンページの「新星とはいったいどのような天体でしょうか」「新星爆発のしくみ」は変光星研究の第一線で活躍されている先生方の執筆で、頑張って読む値打ち大。これを一通り読むのが新星入門に最適だろう。

そして、いよいよ『シリーズ現代の天文学7 恒星』へ。この中で特に読んでおいた方が良さそうな項目を挙げてみる。
1章 さまざまな星とその観測
 1.5 星からの質量放出と星周空間
 1.6 連星の種類と観測法
 1.7 激変星の観測
 1.8 HR図上のいろいろな星
6章 連星系の進化
 6.1 質量交換の素過程
 6.2 連星系の進化の過程
 6.3 新星
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