2013-02-15 Fri 23:15
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2013-02-15 Fri 03:00
![]() ![]() →『数学ガール』 →『数学ガール』 このおもしろさはなんなのだ S.Uさんから「高等数学をわかりやすく解説、という『カソクキッズ』的配慮があるか」というご質問をいただいたので、コメント欄への回答を再掲させていただく。 各巻のテーマとして掲げられている項目はその巻の目標で、そのテーマへアプローチするための数学的道具がそれ以前の章でさまざまに展開・準備されていく。各式の展開や変形は丁寧に書かれているので、時間をかけて手を動かす根気さえあれば(尤もこれがけっこう大きな素質かもしれないが)脱落はしないと思う。かく言う私は、時間をかけず手も動かさず、興味を持ったところ以外は「そうなるはず」と読飛ばしているのだが。 登場人物の中には中2や高1の女の子もいて、しばしば、質問やわからな〜いを出してくれることで、いろいろな進度の読者を掬い上げてくれる配慮がある。もっとも、彼女たちは直ぐに成長してレベルアップしてしまうのが進歩の遅い読者には辛いところではある。 各巻いろいろとおもしろい話題が選ばれているが、例えば5巻は誰でも知っている3本あみだくじを3次対称群と抽象化してガロア理論へのアプローチの突破口にしている。こういう数学の見せ方の妙というか、工夫が各巻秀逸だと感じる。 ところで、中学生時代の自分にこの本が楽しめただろうかと自問するに、ミルカさんに憧れはしても、内容に着いて行くのは難しかったかもしれないと感じる(いまも同じだけど)。しかし、自分はともかく高校生になればしっかりと楽しめる人がかなり増えるのではないかとも思う。 フェルマーの最終定理やゲーデルの不完全性定理やガロア理論などがこの本を読んだくらいで簡単に理解できるはずはないが、そこへ近づくためにどのような人たちがどのように挑戦して来たかを自分も少し手を動かすことで追体験できるのは楽しいことだと感じる。 冒頭のご質問に対する回答だが、これまで無限に隔たっていた事柄が有限の距離へ近づいたと感じられる程度には分かりやすいと言えるが、それでも各巻の最終テーマはやはり手強過ぎる。ただ、個性的な少女たちに両脇を固められる様にして知的冒険の旅をするというこれまでには無いスタイルで、数式や数学的なもの、数学する人びとが小説の題材になったことは画期的で、全5巻で20万部くらいは売れていることからも広範囲な層に支持されていることが窺える。 2週間をいっしょに楽しんだ数学ガールたちとは分かれ難い気分だが、貸し出し期間の終わりがやって来たのでフィボナッチサイン1、1、2、3、、、5でお別れだ。またその内に図書館へ会いに行くことにしよう。 →『数学ガール』シリーズ →小学生から研究者まで、いろんな読者さんの声 小学2年生「フィボナッチやπの各桁を二倍したものが出てきたので、想像以上に楽しかったです」って、君はガロアか? |
| 霞ヶ浦天体観測隊 |
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