2012-07-28 Sat 00:00
福島事故以後は、少なくともこの列島に住むすべての人が長期に渡る低線量被曝の影響下に置かれることになり、誰しもがこの問題に無関心ではいられなくなってしまった。ところがその割に世間はのんびりしているように見受けられる。100mSv以下は安全かのような宣伝によって、大きな不安を感じるが故に安心を求めたい人たちは危険の中に身を置くにもかかわらず眼を逸らし易い状況へ導かれてしまっている。このことによって、決して安全ではない100mSv以下の被曝による将来の健康被害が拡大することが懸念される。
![]() ラルフ・グロイブ/アーネスト・スターングラス[著] 肥田舜太郎/竹野内真理[訳] あけび書房 2011年 3800円 副題として「福島原発放射能汚染を考えるために」とあるが、本書の出版は3.11前から計画されていたようで、まさに福1事故発生直後の発刊となった。 原題は『The Petkau Effect』だが、ペトカウ効果についてだけ解説しているわけではなく、低線量被曝による人体への健康被害と自然への危害について多くの実例を挙げて分かり易く説明している。 →ペトカウ効果 それでも、認めたくない側からの安全意見は根強く、本書についてのAmazonのプレビューとコメントでもバトルが繰り広げられているが、先日放影研から新たな論文(LSS第14報)が出て低線量被曝の危険性については決着が着いたも同然の今となってはそれらは不毛な議論になったと言える。 |
| 霞ヶ浦天体観測隊 |
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