2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
『量子もつれとは何か』
2011-04-20 Wed 17:26
東北関東大震災と福島第1の事故が起こったため出す機会を逸していたが、著者のグループによる量子テレポーテーション成功の記事を見つけたのでここにご紹介。

『カソクキッズ』第14話の中でも取り上げられている「量子もつれ」という物理現象について、自分はかつて物理学を学んだにも関わらず初耳だったということはすでに白状した。

110225.jpgそのことを書いた直後の2月20日、ブルーバックスからタイトルもそのものズバリ『量子もつれとは何か』が発行された。神タイミングと言うべきだろう。

 『量子もつれとは何か』 古澤明著 ブルーバックス1715
      講談社 800円 2011年

さっそく期待を胸に読み始めたのだが、持って回った言い方に内容以前に拒否された感を味わうことになった。それに加えて、表現以外にも読みにくさを感じる。それがどこから来ているのかと考えた。普通、文章とそれに関連する解説図はなるべく近くにある方が理解し易い。ところが本書では解説図が必ずページの上半分に来るように配置されている。そういう配置優先のために、文章の近くではなく別のページへ図が行ってしまう場合が多い。文章を読みながらその場で参照するべき図がほとんどの場合その見開きページには無いため、読みながらページを何度もめくることになる。内容が難しいだけにこれは大いなるストレスだ。以上は枝葉末節の問題ではあるが、啓蒙書としては損していると感じた。

本筋は量子もつれとは何かを知りたいのだが、何処まで行っても分からないうちに後半は実験的に量子もつれを作る話になってしまう。実験的に量子もつれを作ることは実験をしている人にとってはすごいことらしいが、結局「量子もつれとは何か」については分からないまま最後のページまで行ってしまった。著者は何を分かってもらいたいのか掴めないし、自分も量子もつれの何を知りたかったのかが分からなくなってしまった。

それでもなんとか理解したいという思いから前半だけでも3回読み直してみた。「嫌だと言いながら読むのは人生の無駄」と嫁さんに笑われながらも、少しずつ分かるところが増えているように感じるので2週間はしがみついてみたが、それでも理解できない私にとってはこれ以上この本に関わるのは確かに時間の無駄だろう。この本は理解できる人にはとてもすばらしい内容なのかもしれなくて、理解力が無い私に評価する力が無かったというただそれだけのことなのだとは思うが。ああ、疲れた。
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被ばく線量のさらなる引き上げ検討
2011-04-20 Wed 00:00
・宮城沖の海底が東南東へ31メートル動く

・上野の39歳カバ「サツキ」死ぬ 地震で脚痛める
・牛3千頭・豚3万匹、原発20キロ圏に…餓死か
 地震が原因ならば諦めようもあろうが、人がいなければ生きて行けない家畜は原発事故で置き去りにされ悲惨。生産者はせめて殺処分をと望むが、それすらできずに手を拱いて餓死を待たざるを得ない。かわいがって育ててきた人たちだけに断腸の思いだろう。

・東京電力:石田顧問辞任へ 天下り、なれ合い半世紀 「原発安全規制に緩み」

・保安院、核燃料「溶融」と見解 福島1~3号機
 安全委の班目(まだらめ)委員長「圧力容器の底に小さな穴が開き、溶けた燃料の一部が格納容器内に流れ込んでいる可能性すなわちメルトダウンの懸念」を指摘。

・原発工程表、どういう根拠?作業員が達成に疑問

・作業員の被ばく線量、さらなる引き上げ検討
 500mSv/hの場所でも作業をして工程表をこなして行くためには作業員の被ばく線量をそこまで引き上げざるを得ないということか。それにしても500mSvというのは2%が致死的癌になる線量。

・原発批判が自由に報道できてきたかのような話が一部に流れているが、まったく馬鹿げている。

・原子力発電は確かにいらない 某電力会社役員の話
 古い記事から。「原子力は輸送から処理まで何せカネがかかる。私の立場でいうのは大問題だが、あれは利権以外の何者でもない。」とは言っても、家庭用小型原子炉というのも物騒だ。

・事故発生から直近までの福島第一原発の詳細な写真
 日本語版サイトからの直接リンクは張られてないらしい。

・いま買うべき東北の日本酒リスト
 東北の日本酒をぐびぐび飲んで応援したいところだが、放射線防護を兼ねてこれからの季節にはビールだな。
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| 霞ヶ浦天体観測隊 |

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