2010-07-03 Sat 00:00
念願叶って以前からお会いしたかった天文民俗学の北尾浩一さん(星の伝承研究室主宰)にお会いして来た。理由(の一部)については以下の記事に書いたことがある。
→暮らしのなかで、星をきっかけに、豊かな多様性を育むことの大切さ →北尾浩一さんのこと ![]() 昼食後は岸和田の元漁村へ場所を移す。ここでも漁師町は海から引き離され内陸の街になっていた。泉佐野でもそうだったが、かつて北尾さんが取材した漁師の方はすでに亡くなられていて、そこから人の繋がりを辿ることはできない。それでも、街角で話しかけた方々との立ち話の中から、かつて海上で見上げた星の光のひと雫でも汲み取れたことはすばらしい収穫だと感じた。 今回、私は北尾さんのフィールドワークの手法を実地に見せていただければそれで十分だと思っていて、実は取材成果は二の次だった。漁法の大きな変化によって漁民文化が過去のものとなってしまった現在、その中で伝えられて来た星の伝承や星の和名を新たに採取することは困難だろうと予想していたからだ。それが今回、行き当たりばったりに二箇所の旧漁師町を数時間歩いただけで、いくつかの星の呼び名を聞くことができた。こうしてみると、21世紀になった今でも、まだまだ各地で採集の可能性は残っているように感じられる。もっとも、星の伝承を伝えている老人たちが元気なうちはという条件付きなので、急ぐに越したことは無いだろう。ただ、北尾さんにはあまり無理されずにとくれぐれもお願いしてお別れした。 |
| 霞ヶ浦天体観測隊 |
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