2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
世に出る時
2009-11-03 Tue 00:25
091031.jpgちょっと前のことになるが、金子みすゞ記念館々長で詩人の矢崎節夫氏の話をラジオで聞いた。矢崎氏は金子みすゞの一編の詩『大漁』と出会ってみすゞに魅了され、以来他の作品を探し続けたが、十六年間にわずかに数十編しか世に知られた詩を見つけられなかった。それが、ある方との出会いをきっかけに数日後には五百編を越える未発表の遺稿を託されるという劇的な展開になった話をされていた。矢崎氏はその時のことを「みすゞさんが世に出る時が来たことを感じた」と表現された。
[写真は 山崎浩・沼田秀美『金子みすゞの詩による歌曲集 ふしぎ』CD]

この2年間、鈴木壽壽子さん探しに注いだ私のエネルギーなど矢崎氏と比すべくも無いが、それでも、不思議な出会いの連鎖と、信じ難いほどに細い絆の糸が繋がる様は、壽壽子さんのめぐり合わせだと思わざるを得ない感がある。

それにしても、なぜ私はこんなことをしているのだろう、、、。

40年前、四日市の大気の底で『星のふるさと』に記された壽壽子さんの祈りは、既に多くの方からの共感が示しているように時間を越えた普遍性があると思うし、こういう時代だからこそより多くの人に届いて欲しいと願う。なぜならば、この本と出会うことを待っている人が少なからずいるに違いないと思うからだ。

矢崎氏の言われるような「時」があるものならば、鈴木壽壽子さんもいま世に出る時なのかもしれない。

 →金子みすゞに出合う!――みすゞさんのうれしいまなざし――
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