2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
天文少女
2009-04-10 Fri 00:08
 私の子供時代を思い返すに周囲に天文少女らしき女の子はいなかったが、これは自分が鈍感で気がつかなかったからで声をかければ案外いたのかも知れない。『星のふるさと』の著者鈴木壽壽子さんについて調べる過程でお知り合いになった一人の天文少女についてご紹介する。

 これまで鈴木さんについて書いた中で流星塵について何回か触れ、時には実際に流星塵を採集・鏡検もしてみた。その中でいくつかの疑問が生じた。一番の疑問は「森久保先生亡き現在、流星塵を観測したらどこへ報告すればいいの?」ということ。で、いきなり東亜天文学会々長の長谷川一郎先生にお尋ねしてみた。先生からは「この方にお尋ねなさい」とさる方をご紹介いただいた。

 戦後、長谷川先生の指導のもと流星塵観測の中心的存在だったのが関西の女性陣、片岡良子、石崎正子、柳川静子などのみなさんだった。そのなかでも草分けは片岡良子さん。戦前戦中、大阪市内で少女時代を過ごされ、大阪市立電気科学館(現在の大阪市立科学館)とのつながりも深い方だ。0904062.jpgそのころのエピソードは雑誌『大阪人』2006年10月号[左写真]に詳しく書かれていて、実に快活で好奇心の固まりのような若き日の片岡さんの姿を垣間みられる。これを読むまで片岡さんを流星塵観測者としてしか存じ上げていなかったが、それだけに留まらない筋金入りのアマチュア天文家だということも良く分かった。0904063.jpgこの他、『大阪市立電気科学館70年記念誌 日本の科学館は大阪から』[右写真]でもご自身によって当時の思い出が語られていて興味深い。ちなみに片岡さんは鈴木壽壽子さんと同い歳。
 過去には東亜天文学会理事としてベガ賞創設他多くの活動をされてきた片岡さん、最近はご主人とご一緒に別の趣味に夢中になっていらっしゃるそうだ。とは言っても、決して星をお忘れなわけではなく、7月22日の日食観測ツアーへ参加して懐かしい天文仲間との再会を今から楽しみにされている。

 片岡さんには流星塵に関して先の質問をさせていただいた。お返事によると森久保先生がお亡くなりになった以降はやはり流星塵観測記録の取りまとめをしてくださる窓口は無くなってしまったらしい。

 というわけで、以上、現役天文少女のご紹介をした[本記事は片岡良子さんの許可を頂いてます]。

【追記】最近、西はりま天文台公園が2001年に発行した会報『宇宙NOW No.137』に流星塵の記事を見つけた。記事を書かれた鳴沢氏に問い合わせれば最近のことなど少し分かるのかもしれない。

今夜の空:月、明るい。先週ugemさんに教えてもらったZ UMa、ST UMa、R UMa、V CVnのおよその位置を双眼鏡で眺めた。4月3日の初見以来7日が経っているので次回見るときのために場所を再度記憶に定着させるため。
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