2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
TS-65Pをモータードライブに
2009-04-30 Thu 00:31
0904292.jpg TS-65PにTG-HDモーターを付けたので自動追尾可能になった[左写真]。モーター付きの天体望遠鏡は初めて。ガイド撮影で楽をしたいがためではない。65Pで重星や惑星の細かな部分を見ようとした場合、日周運動を手動微動で追尾すると架台(および木製ピラー)の貧弱さゆえ星像が視野の中で飛び跳ねてしまう。じっくりゆっくり落ち着いて星の姿を堪能したい目的には応えてくれない。で、手を触れず数分間は星を眺められるようにモータードライブにすることにした。またしても小遣いが激減。
 まず最初にやったのはファインダーの調整。倍率を最大の178倍にして自動追尾しながらの調整はやり易い。手動だとファインダーを調整している間に星は動いてしまうため何度も何度もアイピースとファインダーの間を行ったり来たりしなくてはならなかった。それから土星を見てみた。手を触れないから星像が揺れない。細かいところも見える(ような)気がする。モータードライブ、もっと早く付ければ良かった。

0904294.jpg今夜の観測:霞の掛った空ではあるが4日連続星見ができるとは1月中旬以来だ。Z UMa7.8等、ST UMa7.3等、V CVn7.1等。その後、土星、εLyr(ダブルダブル)、αCVn(コル・カロリ)、月齢4の月、M13などを観望。止まってるのは良いね。最後に土星の拡大撮影。今夜は練習だが一応細くなった環が写った。
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ジョン・ハーシェルさんの温厚でない一面?
2009-04-29 Wed 06:51
0904273.jpg 『天界』2008年12月号を見返したら「東京の重力測定に噛み付いた J.ハーシェル」という記事に目が止まった。以前は気にならなかったタイトルだが『星を追い、光を愛して ジョン・ハーシェル伝』を読んだ今となるとあの温厚と思われるジョン・ハーシェルさんが?と気になって再読。真実や如何に、、、。

 明治11年(1878)に工部大学校(東大前身)教師W.E.エアトンとJ.ペリーが学生らと行った重力測定の報告(『Philosophical Magazine』1880.04)について、2ヶ月後の同誌上に歯に衣着せぬ辛辣な批判が載った。書いたのはジョン・ハーシェル。あのジョン・ハーシェルさんが品格を疑われるほどの激しい口調で批判するとは意外に感じたが実は別人。とは言えまったくの別人ともいえない、ジョン・ハーシェルさんの息子のジョン・ハーシェル。ややこしい。
 祖父 天王星発見者ウィリアム Frederick William Herschel
 父  南天の観測者ジョン   John Frederick William Herschel
 息子 エアトンらを批判    John Herschel
この論戦がその後どのように決着したのか知りたいところだが記事には書かれていない。

090429.jpg今夜の観測:21時過ぎても雲が切れないので26時に起き1時間ほど観望。春からの観望に向けて機材の調整をして27時過ぎに撤収。東の空に明けの明星と木星が明るく輝いていた。P Cyg4.9等、R Sct5.1等。
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なぜに茨城だけ雲に好かれる
2009-04-28 Tue 00:55
0904272.jpg 日中はよい天気だったが夕方になるとほとんど雲に覆われた。おまけに19時頃には夕立だかなんだかものすごい豪雨。天気分布予報を見ると茨城だけ。またですか、このパターン。090427.png

今夜の観測:でも、22時頃から徐々に雲に隙間が出来てきた。ST UMa7.3等、Z UMa7.7等、V CVn7.1等、X Her6.8等、P Cyg4.8等。X HerやP Cygなどの夏の変光星がもう見られるようになってきた。二晩連続でまともに星が見られたのは一月半ぶり。
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メキシコもたいへんだが足元にも注意
2009-04-27 Mon 00:09
0904262.jpg 数日前から久しぶりに我が家の近くに牛が繋がれている。近寄っても怖がらずに黙々と草を食べているので星子かと思っていたが、さっき近くに寄って耳のタブを見たら別牛だった[左写真]。星子はこの牛の向こう側の土塁の陰にいて、こちらの姿に気づくといつものかわいい眼差しを向けてくれた。

090426.jpg 『星空寄り道散歩道』にM104ソンブレロ星雲が出ていた(→「大雨」)。そして、やぬしさんのインスピレーションはM104からメキシコの豚インフルエンザに飛んでいた。私もニュースを聞きながらふと本棚の古い本に手を伸ばしたら間から16年前のこんな新聞記事が出てきた。その後、国内の豚インフルエンザが強毒化していなければ良いのだが。
 星子らよ、おまえたちはインフルエンザには掛からないはずだよな。

0904263.jpg今夜の観測:昨夜は大雨、今日の昼間は晴れたが大風。夜になっても風は強い。それでも月が小さいうちの晴れは貴重だ。透明度良好、地平線近くまで星が見える。Z UMa7.7等、ST UMa7.1等、R UMa8.2等、V CVn7.2等、X Her6.8等。この透明度ならば今年の初ωを拝めるはずと1時間ほど南中を待つ。待った甲斐ありSPでもω星団が見える。そのうちに南東の古墳の林の上にさそり座が昇ってきた。SPでM4も見えるのだからやはり透明度は抜群だ。
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月齢と天気のこのすばらしい相関関係
2009-04-26 Sun 00:42
090425.jpg 本日は新月、外は大雨。そして、明日の夜から1週間ほど晴れ予報だが、お約束通り月がどんどん太って来る巡り合わせ。月が小さいうちはちっとも晴れず、晴れ始めると月が太って来る。月の重力が海水の干満を生み出す様に、月から届く光が日本の上空の雲の湧き出しに影響を与えているらしい。本当か?
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『The Cambridge DOUBLE STAR ATLAS』
2009-04-25 Sat 00:26
良い星空は昨夜の3時間で終わりかいな。今日は昼から皆曇になって寒い一日だった。
0904143.jpg 『The Cambridge DOUBLE STAR ATLAS』 2009

 先月やっさんのHPの掲示板(09年3月24日)で話題に挙っていた最新刊の重星星図。私もつられてポチッとやってしまった。やっさんや晏次郎さんやkussiさんや中井さんのように精力的に重星を見ているわけではない私には宝の持ち腐れになってしまいそう。
 ♫冬が来る前に~♫、せっかく65Pの光軸を修正しておいたのに結局ほとんど使わず仕舞だった。今夏は65Pをもう少し使いやすくしてじっくり65mmのドーズの限界へ挑戦してみるか。こんなものも本棚で眠っていたし。

【関連記事】『晏次郎のぐうたら日記』「補い合う」
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「鈴木壽壽子さんのこと」完結 『天界』5月号
2009-04-24 Fri 00:16
0904222.jpg 『天界』4月号に引き続いて5月号に「鈴木壽壽子さんのこと(後編)」が掲載され、これで鈴木壽壽子さんに関する報告はひとまず完結となります。みなさまの心の中の鈴木壽壽子さん像に何か加わるものがあったとすれば幸いです。ただ、先月もここに書きましたが、『星のふるさと』愛読者がこれまで大切に抱いてきた鈴木壽壽子さんのイメージを壊していないことを切に願っています。

 『天界』に書いた内容の多くはこれまで本ブログ『星のふるさと』カテゴリーでも紹介してきました。『天界』をご覧頂く特典は若干まとまっていることと初公開写真数点でしょうか。なお、後編に載せた関連資料ライブラリーの中から、公開されている資料のみピックアップしたリストを近いうちに記事にする予定です。乞うご期待。
090423.jpg夕方の観望:水星の東方最大離隔は4月26日。その日に天気が良い補償はこれっぽっちもないので夕方の快晴の空の元、霞ヶ浦湖畔の第二観測所で久しぶりの星見をしてきた。日没後の薄明が次第次第に深くなる中に水星、昴、ヒアデスその他の冬の星々が久しぶりに姿を見せた。

今夜の観測:なんて久しぶりに星空を見たことか。22時頃はまずまずの透明度。変光星をいくつか見たが8等星まで見えた。Z UMa7.8等、ST UMa7.1等、V CVn7.3等、X Her6.9等。その後、これも実に久しぶりに65Pを出して、土星、こと座のダブルダブル、M13、などを観望。ただ、シーイングは悪くてダブルダブルは分離できなかった。23時には曇ってしまったが、星見をした満足感を得られた夜だった。
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こと座流星群の夜
2009-04-23 Thu 00:19
090422.png 2007年のこと座流星群は外房まで行ったが甲斐無く雨天。2008年は月齢16にダメ押しの雨。そして今夜は幸いなことに晴天予報(左写真)、20日ぶりにまともに星が見えそうだ。

0904223.pngと期待していたら、夕方には皆曇になってしまったよ(右写真)。でも、帰宅したら「鈴木壽壽子さんのこと(後編)」の載った『天界』5月号が届いていた。隣にはS.Uさんの論考も。これ面白い。

0904224.jpg今夜の空:雲が薄くなってきたようなので表へ出たがやっぱり流星を見るような空ではなかった。
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星空観望会再開を望む 稲敷市公民館講座
2009-04-22 Wed 00:41
稲敷市の公民館講座の星空観望会、今年は開催されないみたいだ。

まぁ、昨年のように悪天続きで代替開催日まで連続中止になってしまっては、定期公開講座として開講し難いと後ろ向きになるのも分からないでもない。とは言え近隣の天文イベントの後退はとても残念だ。たとえ雨天曇天になってもその場である程度天文について楽しんでもらえるようなフォローがあれば講座開講の意義はあると思っているので、ぜひ来年度は再開してもらいたいものだ。
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かんむり座R 最近の光度曲線
2009-04-21 Tue 00:10
週末は史跡巡りでちょっと日立へ行って来た。出先では観測は出来はしないが、心配するまでもなく星は見えなかった。今夜も見えない。明日もダメそう。4月はここまで普通に見えた日数1日、辛うじて1等星が見えた日数9日。

かんむり座Rの1972年以降の変光曲線を見ると、減光から復光までの期間は多くの場合半年から1年以内だ。今回も同じメカニズムで減光したとすればその辺りに光度の上昇の兆しが見えても良いのだが、むしろ減光後8ヶ月付近からわずかとは言えさらに減光している[左図:AAVSOのlight curve generatorで描いた図を使って作図]。090418.jpg二つの減光メカニズムが重ね合わされているというのが中井さんの説明にあった(4月15日記事の下の方)。その場合の変光曲線はこんなものになるのだろうか。
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北山先生と『PSSC物理』(後編)
2009-04-20 Mon 00:02
前編よりの続き

0903074.jpg 『PSSC物理』というのは1960年に米国で出版された先進的な高校物理の教科書だ。北山先生はこの大部の本を物理Iの授業の第一回目の最初に参考図書として紹介した。上巻3100円、下巻4800円、別冊2300円というのは1973年当時の高校生の参考図書としては破格の高額図書だ。「将来物理を勉強したい者は読むといい」と言ったのかもしれない。その辺りのニュアンスは忘れてしまったが、参考図書というのはあくまでも参考と思っていたのでその後しばらく書店で中身を見る事も無くそのままになっていた。

   『PSSC物理』 上・下・別冊
      山内恭彦 平田森三 富山小太郎翻訳監修 岩波書店 1962年

 北山先生の授業は教科書とはまったく離れているので予習のやりようも無く、授業に出るのはいわば丸腰で決闘に臨むような感じだった。ところがある日吉祥寺の書店で見た『PSSC物理』に北山先生が板書するグラフがそのまま載っているではないか。おそらく翌日上巻を買って、ベクトルの説明や等速直線運動、作用反作用について理解して行ったのだと記憶する。
 若い頃というのは得てしてそういうものだと思うが、過去へのこだわりが希薄なためたまに帰省した時間を使って高校時代の恩師に会いに行こうとまでは思わなかった。送られて来た同窓会誌で北山先生退職の報を目にしてもそうだった。自分が物理の世界で食べて行けていればまたきっかけもあったのかもしれないのだが。
 それからさらに数年後、北山先生の訃報に触れた時になって、やり残した事があったとようやく気づくのだった。
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500万トンの黄砂に覆われりゃ、星も見えんわな
2009-04-19 Sun 00:53
090417.png Yahoo!JAPANニュースから。

今夜の観測:霞が空を覆っていて7x50双眼鏡を使っても7等前後の星が辛うじて見えたのか見えなかったのかという程度。肉眼では2等星が限界。ST UMa6.9等。黄砂は西日本ほどではないのかもしれないが、霞が酷いためこの4月の天気は最悪記録を更新しそうだ。
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月、星、流星、表示されていますか?
2009-04-18 Sat 00:46
AstroArtsのホームページが最近レイアウトを一新したが、情報量が増えたためにそんなに下の方まで見ている暇は無いぞというくらい長~いトップページになってしまった。と、ここまで書いて来てAstroArtsのホームページを見たら、表示が2段組みになって縦が圧縮されていた。

0904162.png他所様のことばかり言っていられない。私の使っているFC2ブログが高速表示サービスを導入する代わりに広告表示挿入を始めた。高速表示オン/オフはできるのだが、オフにするとタイトルのFLASH部分の月星流星が表示されなくなるときがある(左写真をクリックすると)。おいおい、、、。ただいま、サポート担当者が調査してくれている。

【追記】原因は特定されないがその後不具合は起きていない。
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日本天文同好会会報『天体』菊岡秀多さん追悼号
2009-04-17 Fri 00:06
0904142.jpg 十代から二十代にかけての7年間を大阪市内で暮らしていたというのに、どうしたことか私は四ツ橋の電気科学館へ行かなかった。そのため東洋で最初の伝統あるプラネタリウムにも、その名物解説者の菊岡秀多さんにも出会う機会を逸した。ご縁が無かったと言えばそれまでだが、菊岡さんが急逝される直前に私は東亜天文学会を通じてほんのわずかな接点ができ、それがその後astro_calendarさんと出会うきっかけになったわけで、そういう意味ではご縁があったともいえる。

 先日astro_calendarさんのブログで日本天文同好会会報『天体No.232』菊岡秀多さん追悼号の記事(菊岡さんの思い出)が紹介されていて、どうしても読みたいと思ったので1冊融通していただいた。

 菊岡さんは親分肌で多くの人がその周りに集まって来るような方だったらしいが、亡くなられてなおそうした魅力に私も吸い寄せられた。歴史にもしもが無いように自分の人生にもしもを問うても無意味ではあるが、もしも大阪時代に電気科学館へ行ってみたいと思う興味の方向性があったとしたら、自分の人生は今とはかなり違ったものになったのではないかと思う。
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『星を追い、光を愛して』 -ジョン・ハーシェル伝-
2009-04-16 Thu 00:10
0903212.jpg『星を追い、光を愛して』
  19世紀科学界の巨人、ジョン・ハーシェル伝
    ギュンダー・ブットマン著
    中崎昌雄 角田玉青 日本ハーシェル協会共訳
     産業図書 2009年 2500円

 伝記本ってあまり読む機会が無くこれまでに読んだことがあるのはリーヴィットの本くらいだが、有名なハーシェルの伝記は読んでおいた方が良いだろう思った次第。というのも、どのハーシェルがどの仕事をやったのかちっとも分かっていないので、これを読めば整理できるだろうという至極幼稚な理由。あ、もう一つは『天文古玩』でいつも不思議な世界を展開してくれる玉青さんのご苦労を拝見しようと言うのも理由(→天文古玩3月13日)。
 そうそう、巻末の出版案内を見て以前meinekoさんも紹介していた『ビクトリア時代のアマチュア天文家』も玉青さんと日本ハーシェル協会の共訳だったのを今知った。

 本書を読んで一番印象的だったのは、ジョン・ハーシェルって天文学者というよりも物理学者か博物学者といった方がより的を射ているということ。学問が細分化されている現在と違うので、自然科学者と呼べばそれで良いのかもしれない。
【玉青さんからの伝言】日本ハーシェル協会では、新規入会大絶賛受付中です。
★★
090415.jpg 昨夜の豪雨も朝には上がって、何ヶ月ぶりかと思うほどの真っ青な空が広がった。日中の日差しは強かったが爽やかな一日だった。でも夜になったら天気予報と違って皆曇になった。
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かんむり座Rの変光のしくみ解説
2009-04-15 Wed 00:32
月の出が遅くなって来ると天気は下り坂。今夜は雨です。

090414.jpg かんむり座R星は恒星大気中に水素が少なく炭素が多い「炭素星」と呼ばれる星。その炭素の煤が星の光を遮る時に減光する不規則変光星でかんむり座R型変光星の代表として有名。この星ただいま減光中なのだが、いつになく長い眠りを貪っているようで、いっこうに目覚める気配がない。[左図は滝星図をトリミング、下図は過去38年間の光度曲線(3月21日記事参照)]

090320.jpg

かんむり座R 死んじまったわけじゃあんめーな(08年10月26日)
かんむり座R(R CrB)の現状(09年3月21日)

 いったいこの星の中で、あるいは周囲で何が起こっているのか。炭素星の変光のしくみを説明する以下のいくつかの解説を読んでみた。
かんむり座Rの変光のしくみ解説の続きを読む
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「僕(しもべ)の会」改め「麦の会」へ入会
2009-04-14 Tue 00:52
週末の夜、府中でかつての職場の女友達の集まりがあるからいっしょに行かないかとヨメさんに誘われた。それぞれの旦那たちは同時並行してベランダで「僕(しもべ)の会」を開催するという。一部は妻グループの同業者、一部は異業種で、私は異業種だし共通の話題も無いし、、、とは思ったが、いつも自分の趣味ばかりにつき合わせることが多いので今回はヨメさんにおつき合いすることにした。

090413.jpg 会長によると、今夜から私も新メンバーで「麦の会」へ改称すると言う。踏まれ踏まれて強くなる麦の姿が自分たちに重なるということのようだ。先ほど、共通の話題も無いしと書いたが無いどころか星の人が混じっていて、で、秋になったら鹿角平でキャンプ&星見の会を開催しようということになった。

今夜の観測:ようやく月の出が遅くなって来たが、天気も崩れて来た。薄雲が掛かっているので7等は見えない。ST UMa6.9等が限界。
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北山先生と『PSSC物理』(前編)
2009-04-13 Mon 00:36
0904014.jpg この前ヨメさんに、なんで高校時代に物理が好きになったのかと聞かれた。そのきっかけが高校2年のときに物理Iを習った北山宗昌先生と『PSSC物理』にあったことははっきりしている。当時誰も北山先生などとは呼ばず呼び捨てだったが、本稿は敬称付きで書いてみた。やはり呼び捨てでないとリアリティに欠けるなぁ。

 高校2年の物理I担当の北山先生っていうのが厳格で威圧感のある老練の先生だった。和弓をやっていると言って、矢の鏃(やじり)と矢羽根を外した箆(の)といわれる竹の胴体部分を教鞭にして、「そこの、説明して見ろ、ホイ」と指して来る。もう、初回の授業からクラス全員震え上がってしまった。わたしも要領を得ず最初の数回の授業は苦痛で仕方が無かった。ところが好きこそもののということなのだろうか、しばらくしてベクトルの概念が理解できたのをきっかけに、クラスの皆が言うほど難解なことを要求されているわけではないことが分かって来た。さらに好きになるか、一生縁が無くなるかの大きな分かれ目はそのときだったように思う。後は優越感に牽引されるようにして物理へ嵌って行くだけだった。[後編へ続く]
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桜の余韻
2009-04-12 Sun 00:34
090411.jpg 火曜日に満開になった後、穏やかな日が続いたおかげで週末の今日もまだ余韻を楽しめた。

 ちょっと寂しいところにある工業団地の中を抜けながら、はらはらと散る桜吹雪や道一面に敷き詰められた桜の絨毯の中をひとり走るのはけっこうな贅沢。
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月齢で天気予報ができそう
2009-04-11 Sat 00:47
090410.pngここのところ毎日晴天続きだというのに、月が大きな時期。来週は月が小さくなるけど、予報では天気が崩れる。

今夜の観測:それでも今夜は双眼鏡で7等星が見えたので1目測達成。ST UMa6.9等。ついでに、流星塵観測所も閉鎖(観測ザルを撤去しただけだけど)。
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天文少女
2009-04-10 Fri 00:08
 私の子供時代を思い返すに周囲に天文少女らしき女の子はいなかったが、これは自分が鈍感で気がつかなかったからで声をかければ案外いたのかも知れない。『星のふるさと』の著者鈴木壽壽子さんについて調べる過程でお知り合いになった一人の天文少女についてご紹介する。

 これまで鈴木さんについて書いた中で流星塵について何回か触れ、時には実際に流星塵を採集・鏡検もしてみた。その中でいくつかの疑問が生じた。一番の疑問は「森久保先生亡き現在、流星塵を観測したらどこへ報告すればいいの?」ということ。で、いきなり東亜天文学会々長の長谷川一郎先生にお尋ねしてみた。先生からは「この方にお尋ねなさい」とさる方をご紹介いただいた。

 戦後、長谷川先生の指導のもと流星塵観測の中心的存在だったのが関西の女性陣、片岡良子、石崎正子、柳川静子などのみなさんだった。そのなかでも草分けは片岡良子さん。戦前戦中、大阪市内で少女時代を過ごされ、大阪市立電気科学館(現在の大阪市立科学館)とのつながりも深い方だ。0904062.jpgそのころのエピソードは雑誌『大阪人』2006年10月号[左写真]に詳しく書かれていて、実に快活で好奇心の固まりのような若き日の片岡さんの姿を垣間みられる。これを読むまで片岡さんを流星塵観測者としてしか存じ上げていなかったが、それだけに留まらない筋金入りのアマチュア天文家だということも良く分かった。0904063.jpgこの他、『大阪市立電気科学館70年記念誌 日本の科学館は大阪から』[右写真]でもご自身によって当時の思い出が語られていて興味深い。ちなみに片岡さんは鈴木壽壽子さんと同い歳。
 過去には東亜天文学会理事としてベガ賞創設他多くの活動をされてきた片岡さん、最近はご主人とご一緒に別の趣味に夢中になっていらっしゃるそうだ。とは言っても、決して星をお忘れなわけではなく、7月22日の日食観測ツアーへ参加して懐かしい天文仲間との再会を今から楽しみにされている。

 片岡さんには流星塵に関して先の質問をさせていただいた。お返事によると森久保先生がお亡くなりになった以降はやはり流星塵観測記録の取りまとめをしてくださる窓口は無くなってしまったらしい。

 というわけで、以上、現役天文少女のご紹介をした[本記事は片岡良子さんの許可を頂いてます]。

【追記】最近、西はりま天文台公園が2001年に発行した会報『宇宙NOW No.137』に流星塵の記事を見つけた。記事を書かれた鳴沢氏に問い合わせれば最近のことなど少し分かるのかもしれない。

今夜の空:月、明るい。先週ugemさんに教えてもらったZ UMa、ST UMa、R UMa、V CVnのおよその位置を双眼鏡で眺めた。4月3日の初見以来7日が経っているので次回見るときのために場所を再度記憶に定着させるため。
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『星のふるさと』復刊キャンペーン 常設
2009-04-09 Thu 00:05
4月5日に書いた『星のふるさと』復刊キャンペーン、せっかく呼びかけたのだがこのままではどんどん下へ沈んで行ってしまう。これではいかんということで左上に常時掲示することにした。ぜひみなさんの清き一票をお願いいたします。
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沼尻墨僊を学ぶ 小惑星Suzukisuzuko地球最接近
2009-04-08 Wed 00:18
090407.jpg 土浦の市立博物館へ行って沼尻墨僊(ぼくせん)について勉強して来た。墨僊については以下の記事をご参照ください。
   特別展『沼尻墨僊 城下町の教育者』
   『沼尻墨僊』

 墨僊の科学業績(特に天文)について詳しい執筆者の先生や特別展担当の学芸員さんから解説を聞けて、これまでほとんど知らなかった郷土の文人への興味の目が開かれた。0904072.jpg『沼尻墨僊』に書いたように墨僊はかなり熱心に天体観測をしており、それは子の墨潭(ぼくたん)へと引き継がれたらしい(ハーシェル親子みたいだ)。これまでは「墨僊という人物の業績の一つが天文学」と紹介されることが多かったと思うが、天文学史的には墨僊~墨潭と親子二代に渉る業績として調べる価値が大いにありそうだ。
0904073.jpg 墨僊・墨潭について調べたい場合に史料をどのように探せばよいのか尋ねたところ、実は最近公立科学館の学芸員さんで同じことを調べたいという方から同じ問い合わせがあったと言う。さっそくライバル現わる!というか、誰しも考えることは同じということ。今回の展示会をきっかけにして墨僊研究は新たな進展の時代へ入ったと感じられた。
[右写真:華蔵院にある墨僊の墓、左写真:等覚寺のしだれ桜]

0904074.jpg今夜の空:霞と月明かりでとても星見を楽しむ空ではないが、小惑星(8741)Suzukisuzuko地球最接近の夜だ。各地の天気は如何だろうか。17.1等ではあるが、スピカとからす座βの中央辺りへ目を凝らせば、確かに光は網膜へ届いているはず。→astro_calendarさんが作ってくれた位置図へのリンクはこちらの記事から
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『折りたたみ式星の地図 FIELD STAR ATLAS 2000』
2009-04-07 Tue 00:24
0904012.jpg 昨年末、渡辺和郎氏と金田宏氏が製作された『携行版星の地図 FIELD STAR ATLAS 2000』をご紹介したが、今回新たに折りたたみ式の星図を製作された。見たいエリアを一気に探せてこれはさらに使い易くなったと感じた。0904013.jpg1部500円と廉価なので汚れたりボロくなったら変えれば良いというお気軽さも良い。観望会などで欲しい方に差上げてもあまり懐が痛まないというのもさらに良い。
 今気づいたが、『天文年鑑2009年版』巻末星図の製品版ということのようだ。

■「購入方法・入金方法」は前回の記事と同じだそうです。

今夜の空:霞か月明かりか2等星が辛うじて見えるかどうか。6~7等台の変光星も7x50では厳しい。
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日食観察グラス
2009-04-06 Mon 00:57
090304.jpg 7月22日の日食、皆既帯まで行くことはできないが関東でも75%近く欠ける部分日食を楽しみにしている。大阪に住む家族はここよりも一層大きく欠ける太陽を見られるはずだ。

 そこで、各地にいる家族や友人知人にも一生で最大となるかもしれない日食を楽しんでもらいたいと思い、「Vixen製日食観察グラス」をラプトル50でおなじみのスターライトコーポレーション(大沼崇代表)からまとめて購入した。

 日食観察用めがねは他にも廉価な商品があったが、この商品はフィルターがPP加工されており薄膜タイプと違いピンホールができ難くそう、遮光面積が大きい、作りがしっかりしている、などの理由でこのVixen製の商品を選んだ。

 こういうものは直前になると品薄になってみなさんバタバタするんでしょうが、今ならば余裕で購入できると思いますよ。
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『星のふるさと』復刊キャンペーン
2009-04-05 Sun 00:15
先日晏次郎さんから『星のふるさと』について「願わくば、再販等にて多くの方と感動を共有出来ればと思っております。」というコメントをいただいた。そのレスに、「みんなで復刊ドットコムへ投票しますか。」と冗談半分に書いたところ、さっそくご自身のブログでも紹介してくださった上、早くも一票を投じられていた(astro_calendarさんも入れてくれていた)。
このような動きがあるときに言い出しっぺとして黙っているわけにはいかないので、ここに「『星のふるさと』復刊キャンペーン」として、『復刊ドットコム』の『星のふるさと』への投票を呼びかけたいと思います。

この本『星のふるさと』に感動した経験のある方も、未経験の方も、この本をすでにお持ちの方も、まだお持ちでない方も、みんなで『星のふるさと』へ1票を投じる輪を拡げましょう。
090404.jpg
なんて言って、本当に復刊されたらどうしましょ。
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『宇宙論I-宇宙のはじまり』
2009-04-04 Sat 00:33
宇宙の始まりとか進化とかを研究する分野を宇宙論というらしい。人類始まって以来の根源的な疑問と言われることもある。遠大深淵な領域のため宇宙図やニュートンムックを眺めていてもなかなか分かった気分にはなれない。
 
0903112.jpg シリーズ現代の天文学2『宇宙論I-宇宙のはじまり』
  佐藤勝彦・二間瀬敏史[編] 日本評論社 2008年 2100円

丁度手もとにこれがあるので読んでみようと思う。もっとも、読めませんでしたとすぐに引き返すことになりそうだが。
 パラパラと頁をめくって気づくのは、宇宙論って素粒子論そのものだということ。宇宙の始まりすなわち空間や時間や物質の始まりを探求することはまさに素粒子論の目的なのだから。

090403.jpg今夜の空:昨夜せっかくugemさんのお勧め星をいくつか見始めたというのに、晴れはもう終わってしまったみたい。初見の星は数日続けて見ないと脳みそに位置が定着しない。目に潤いの多いかすてんは接眼鏡がすぐに曇るという不安が常に付き纏うため、導入に時間をかけないように憶えてしまいたいという事情がある。
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『沼尻墨僊』
2009-04-03 Fri 00:46
0903302.jpg 『沼尻墨僊』 青木光行 塚本福衛 大塚博 雨谷昭著
    土浦市文化財愛護の会発行 1997年 1400円

 現在土浦市立博物館では特別展として『沼尻墨僊 城下町の教育者』が開催されている。それと並行する形で特別展記念連続歴史講座「墨僊塾」(後期)が平成21年1月から5月の期間が開講されている。1月10日に行われた第1回目は「墨僊の天体観測」と題して雨谷昭氏が講師をされた。私の郷土史の師匠を通じて雨谷先生には何度かお会いしているが、墨僊の天体観測についての研究者でもあったとは失礼なことに存じ上げなかった。近いうちに雨谷先生のところへ連れて行ってくださいと師匠に頼んだらこれは持っているかと本書を貸してくれた。

 沼尻墨僊は安永4年(1775)、町民の子として土浦に生まれ、安政3年(1856)に没した。享年82歳。教育者として、画家として、書家として、科学者として、地理学者として幕末土浦の文化に大きく貢献した一人だ。私塾の名を「天章堂」としたのもとりわけ天文に興味を持っていたからだという。
 ここでは天文学・地理学上の業績をいくつか挙げておく。「星宿度数」「測験草」「客星運行之図」などの恒星図や惑星の観測図、文政8年(1825)8月と天保14年(1843)2月と嘉永6年(1853)7月に現れた彗星の観測図、渾天儀製作、「寛政十二庚申暦」「宝暦四ヨリ明治二マデの略暦」などの暦の製作、「地球万国図説」製作、傘式地球儀製作、などなど。

 今回の展示で楽しみにしているものの一つが彗星観測記録。墨僊は、上記のように彗星を数回観測し数枚づつ図に記録しているが、そのうち天保14年のものが展示されているようだ。
今夜の観測:馴染みの変光星が去ってしまったとぐずぐず言っていたらugemさんが明るくて面白そうな星をいくつか見繕ってくれました(昨日の記事のコメント)。久しぶりに晴れたのでそのうちのいくつかを見ました。Z UMa以外は初見。Z UMa7.7等、ST UMa6.9等、R UMa7.9等、V CVn7.6等。
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3月の晴天日数
2009-04-02 Thu 00:48
昨年の悪天の始まりは3月11日だったが、今年は2月の最終週に早くも天候が大きく崩れ、3月に入ってもそれを引きずり全般に不調だった。年を追うごとに悪天になる時期が早まっている印象。何を見たということもなく、星の見える夜にはルーリン彗星を撮影したくらい。こうして霞ヶ浦天体観測隊の冬は終わったのである、、、。
 ________一昨年__昨年__今年_
 すごい星空!   0夜  0夜  0夜
 4等星が見える 13夜  6夜  8夜
 1等星は見える  ?夜 14夜  9夜

AstroArtsの4月1日の記事に、「科学文部省は「光年」を2011年7月をもって全面的に廃止、使用は法律で禁止する方針を明らかにした」と出ていた。どうも眉に唾をつけながら聞いた方が良いような書きっぷりだな、と下の方を見たらやっぱりね。
 因みに、この『霞ヶ浦天体観測隊』ブログではこの2年間にいくつ「光年」を使ったか検索してみたら2つあった。一つは谷川俊太郎『二十億光年の孤独』。これは仕方がないね。もう一カ所は「織女と牽牛は15光年離れている」という記述。わずかこれだけだったことに案外自分でびっくりしている。
★★
090401.png この雪マークの天気予報もエイプリルフールですかね。

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4月の星空予習
2009-04-01 Wed 00:35
090331.jpg★金星は3月25日に内合となり、来年1月11日の外合までしばらく明けの明星となる。
22日はこと座流星群の極大日。月齢26、予想はHR=10~30。本当か?
★ルーリン彗星はふたご座εとνの中間付近で動きは少ないが、8等級以下に暗くなる。

庭は春の花で賑やかだけど、今月の星見は寂しいな。

今夜の観測:早く春の変光星に衣替えしなくては、なんて言っているうちに4月になってしまい馴染みの星が本当にU Mon6.1等くらいになってしまった。
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