昨夜と打って変わって晴天。ただし、風強し。

お泊まりの武蔵境駅前のホテルへFLUIDさんをお迎えに行き、武蔵境駅発狛江駅行きの小田急バスに乗り国立天文台前で下車。
一昨年4月に来たときは雨降る寒い日だったが、本日は爽やかな日の光の下での天文台構内散策となった。

今日はここで
『ドーム&立体プレイベント2009』の国際シンポジウムが開催されていたようだが、私たちは一般見学エリアを見て回った。右写真奥は65cm赤道儀室(現在は天文台歴史館)

1998年まで現役で使われていたその65cm屈折望遠鏡全景。いいフォルムだ。操作方法を解説したビデオが流れているが、観測者が腕力で操作している雰囲気が伝わって来る。ほんの少し前までこうだったのだ。

今日の見学は天気に恵まれ良かったのだが、一つだけ心残りは昨夜から続く強風で樹木が倒れ武蔵野の雑木林を通る
アインシュタイン塔への見学路が閉鎖されてしまっていたこと。
ゴーチェ子午環の白いドームが青空に映える。桜もちらほら咲き始め。

天文台から南東方向へ2kmほどのところに天台宗の名刹
深大寺がある。ここは武蔵野台地の南面崖線中腹に位置しその湧水を利用した蕎麦が昔から有名で門前にはそば屋が軒を連ねている。立ち寄ったのは「湧水」というお店。福井県産そば粉100%という湧水そばも美味しかったが、何よりも店員の感じの良さが印象的だった。

深大寺からバスで三鷹駅へ。駅北口脇にある国木田独歩の有名な「山林に自由存す」が刻まれている
独歩詩碑へ立ち寄る。小学3年生のときに担任が紹介してくれたその日に同級生の青木君と武蔵境から国電一駅5円の運賃を払い見に来たことのあるとても思い出深い場所(青木君については
こちら)。
三鷹駅から桜橋までタクシーで移動。玉川上水に掛かる桜橋の北詰西側には独歩の小説『武蔵野』第6章に出て来る茶店があった。現在その場所にはマンションが建っているが、その向かい、玉川上水の堤に小さな文学碑がある(写真)。

小説の重要な題材である恋人佐々城信子と独歩が実際にデートしたときに立ち寄った桜橋南東にあった雑木林は現在市立境山野公園(独歩の森)として保存されている。私が子供の頃はこんな雑木林があちらこちらに点在していたが現在はここくらいにしか残っておらず、武蔵野の面影を残す貴重な遺産といえる。
雑木林を後にして武蔵境駅へ戻り、本日の天文台~深大寺~独歩を歩く小さな旅を終えた。