
さて、LHCが作り出すエネルギー14TeVとはいったいどれほどの大きさなのか。テラは10の12乗、eVは38.3x10の-21乗カロリーだから、14TeV=5.362x10の-7乗カロリーになる。案外小さいと感じられるが、陽子と陽子が衝突する極微の空間の一点で発生するとなるとやはり巨大なエネルギーには違い無い。
では、この大きさのエネルギーが空間の一点に発生するとブラックホールが生まれて地球を吸い込んでしまうものなのか。

これについて簡単な推察を。右図は地球の大気に飛び込んでくる宇宙線のエネルギー(横軸)と粒子数(縦軸)の関係を示している。LHCで作られるエネルギーを実験室系という座標に返還すると約10の17乗eVなので、同じくらいのエネルギーを持った宇宙線は1平方キロメートルあたり1年間におよそ100個から10万個降り注いでいることになる。地球46億年の歴史の中で地球全体に降り注いだ10の17乗eV以上の宇宙線の数となると少なく見積もっても10の20乗個以上。いまだに地球は吸い込まれていないところを見ると2009年以降も多分大丈夫でしょう。
[右図は
Wikipedia宇宙線より]

今夜は中秋の名月。夕方には見られたけど直後から皆曇。今週は金曜日まで台風13号の影響で雨予報。20日の同好会の例会前には回復するかな?