2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
「天の川」地名考(その2)
2008-06-22 Sun 18:29
一日雨。今夜はこれから150mmの豪雨になる予報。
「天の川」地名考(その1)の続き。
 「天の川」地名の一例となる資料を紹介する。それは北海道上ノ国町にある勝山館という中世城館(お城)の調査に関するシンポジウムをまとめた書籍『北から見直す日本史』(網野善彦/石井進編 大和書房)の中にある。

0806214.png・北海道に残る古い記録などに天ノ川や上ノ国のことが天河と記されている。
・上ノ国を流れる天ノ川は天河と表記され、かつては「テガ」ないしは「ツガ・トガ」と呼ばれていたのではないか。
・アイヌ語地名で「トガ」は「沼の上手」または「ほとり」「岸」となるらしい。
(松崎水穂「勝山館跡とその城下の謎」より)

 古い時代から使われている地元での地名の呼び名は特徴ある地形を表す名称であることが多い。後世その音が漢字で表記され、さらに似ている別の漢字に書き換えられることはよくある。「天の川」「天ノ川」という地名もそうした変遷を辿ってきたのかもしれない。だから、近年命名されたことが確実である場合を除けば、単純に「銀河」や「七夕」と結びつけるのは拙速かと感じる(天文ファンとしては捨てがたいが)。関東以北のこれら三つの「天の川」に共通することは、北方のアイヌ文化の影響を色濃く残すあるいは受けた地域の地名だということ。上記の例にあるような、何か共通する地形があるのではないだろうか。
 以上、まぁ地名考というほどではないがそういう視点から想像するのも面白いのではないかと思う。やまのんさんへの回答にはならないけど、ヒントくらいにはなったかなぁ。
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