
『はい、こちら国立天文台』星空の電話相談室
長沢工 新潮文庫 2005年 438円
1999年に国立天文台広報普及室で受けた10729件の問い合わせの内訳は、太陽・月40%、暦・時16%、太陽系19%、宇宙4%、天文台9%、その他12%。
天文と言えばそうなのだろうが、日の出日の入、月の出月の入時刻の質問がとても多いらしい。私が抱く天文学とか宇宙科学への質問とはだいぶ違っている。だいたい宇宙への質問が全体の4%しかないのには驚く。
また、その他12%がくせもの。電話での応対で先方と喧嘩しないようにとあるが、長沢工さん、けっこう怒ってるのが分かる。こんなことを天文台へ問い合わせる人もいるのかというものや、これは別の専門家(カウンセラー)がちゃんと処置した方が良いと思われる人への応対など、サポセン並の奮闘ぶりだ。

多額の税金を使う巨大科学のひとつである天文学を一般へ普及広報するためにはこういう窓口が必要な時代になっている。

今夜の観望:昼間の雨が上がり透明度は良い。でも光害がひどくて空は白い。もう、ホームズ彗星、息も絶え絶え。はくちょう座新星NCyg08はすでに極大を過ぎた模様(私の目測で8.6等)。