2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
津山事件の本を久しぶりに読む
2023-11-22 Wed 00:00
「津山事件」あるいは「津山三十人殺し」と言われる事件が起きた当時、私の父方の祖父の兄=大伯父の家が事件の舞台となった集落に比較的近いところにあった。後年、その跡取り=父の従兄弟(Y叔父とする)がその家を継ぎ、私は幼い頃そして高校時代、大学時代を通じて幾度か遊びに行ったことがある。Y叔父は鄙にあっても文化的教養豊かな人で、古代から大陸との交通路の一つだった美作(みまさか)の地域に誇りを持っている人でもあった。
2310081.jpgいつだったか、何がきっかけだったのか忘れたが、もしかすると当時ブームだった横溝正史の『八つ墓村』の舞台はこの地域だったのですね、程度に軽く話題に出したことがあったのかもしれないが、近くどころかこのすぐ上だよと、事件発生当時小学校最上級生だったY叔父が話し始めた内容は、本人の体験談とその父親から聞いた証言で構成された、小説も吹っ飛ぶ生々しいエピソードに溢れていた。かなり詳しく話してくれたので、忘れないうちにA4版2頁に書き留めておいたが、そのメモも本に挟まって残っていたので、これもそのうち文字起こししておこうと思っている。以下の筑波昭氏の本が出版される前に聞き取った内容なので、ほぼ100%に近く、Y叔父が体験した情報で構成されている貴重な記録になると思うからだ。

2310082.jpg『津山三十人殺し 村の秀才青年はなぜ凶行に及んだか』
           筑波昭著 草思社 1981年 1800円

上記のY叔父の話を聞き、メモに書いて間も無くの時期に本書が出版され、Y叔父の話と照合させながら夢中で読んだ記憶がある思い出深い一冊だ。もう40年以上も前になるので内容についての記憶は薄れている。本書を買った時から違和感を感じているのが帯にある「今日頻発する不可解な殺人に通じるものがある」という一文。なぜならこの事件は不可解な殺人ではないように感じるからだ。

2310083.jpg『津山事件の真実(津山三十人殺し) 第四版』 事件研究所編著
                    2021年 1200円

大量殺人事件で紐付けされたためだろうか、辻野弥生著『福田村事件』を購入した直後にネットで見つけた。津山事件とはまったくの別件で、来年は久しぶりにY叔父の息子=私の再従兄弟のところに遊びに行ってみようかと思っていたところだったので、この機会に復習しておこうと本書を購入した。筑波昭本を論理的・批判的に検証していているところに好感が持てた。

2310084.jpg『津山三十人殺し 最後の真相』 石川清著 ミリオン出版
                   2011年 1500円
未読。
石川清氏の2著は上記の事件研究所本が絶賛していて、一読に値しそうなのでまずは購入しておいた。2著を近い内に読んで感想を書きたいと思う。


2310182.jpg『津山三十人殺し 七十六年目の真実』 石川清著
         学研パブリッシング 2014年 1800円
未読。
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関東大震災直後の朝鮮人虐殺もショック・ドクトリンだった
2023-10-04 Wed 00:00
2309221.jpg『福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇』 辻野弥生著
               五月書房 2023年 2000円

映画『福田村事件』を見ての短い感想と関連動画は、映画『福田村事件』に書いてみたが、この機会に本書を読まずに行き過ぎるわけにはいかないと思い手に取った。劇映画としての『福田村事件』に対して、本書は少ないながらも記録を掘り起こし・収集したドキュメンタリー作品となっている。本書を読むことで、映画のフィクション部分がより理解しやすくなる。上に少ないながらもと書いたが、香川県で千葉県で貴重な証言など多くの人による丹念な記録がなされてきたおかげで本書にまとめられ、映画のインパクトと相乗して事件から100年後の読者へ届いたのだと思う。朝鮮人虐殺の記録は本来政府の責任でまとめるべき事業であるはずだが、どこかの国の日本政府やどこかの都知事は、厚顔無恥にも朝鮮人虐殺の記録は無いなどとすっとぼけている。

2309301.jpg関東大震災発生の翌日には戒厳令が敷かれ軍部による朝鮮人虐殺が始まり、内務省は震災2日後に意図的にデマ情報を流している。大震災を予知していたかはともかく、大事件が発生したら朝鮮人と共産主義活動家を抹殺する準備を事前にしていたと思われる。これはショック・ドクトリンではないか。フリードマン理論が世に出る何年も前から日本軍部はショック・ドクトリン発動を計画していたことになる。
関東大震災直後(11月15日時点)に千葉県内で発生した、自警団・民衆による朝鮮人殺害および朝鮮人と誤認して日本人が殺害された事例のリストを見ると、22件中10件は福田村事件同様誤認殺人だった。これらは日本人なのに間違って殺されたかわいそうな事件なのか?映画では、虐殺の始まる直前に行商人の親方が自警団に向かって叫ぶ、「朝鮮人なら殺してええんか!」、、、。朝鮮人なら、被差別部落民なら、障害者なら、女性なら、暴行・虐待・殺人も正当化されるのか?という根本的な問いかけだが、あれから100年経った日本社会はこれを正当化しかねない狂気の崖っぷちに立っている気がする。
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映画『福田村事件』
2023-09-21 Thu 00:00
2309192.jpg関東大震災から100年の9月1日に全国ロードショー公開が始まり、ただいま大きな話題になっている森達也監督の映画『福田村事件』を、シネプレックスつくばで見てきた。数日前に『ワクチン開発と戦争犯罪 インドネシア破傷風事件の真相』を読んだばかりの頭に、立て続けに重い歴史の杭が打ち込まれた感じだ。映画では、朝鮮人差別だけでなく、部落差別、癩病患者差別、家父長制による差別、職業差別、女性差別、軍人・軍夫差別、地主・小作の身分差別、社会主義者差別など、日本社会に張り巡らされ、組み込まれ、織り合わさった多種の差別構造とそれが生み出す偏見が重層的に描かれる。100年経っても深層は変わってない様に見える今の日本で、この事実を知ってもまだ同じことを繰り返したいのかという問いが、群衆と化す前の一人ひとりに突きつけられていることを感じた。

 →映画『福田村事件』公式サイト

関連動画で以下の様なものもある。
中川五郎「1923年 福田村の虐殺」2022年8月5日 岡山LIVE
 27分の長編ソング。

【究極の胸糞】事実に基づいた映画「福田村事件」が衝撃的なので絶対観て欲しい【森達也初劇映画】
 一見軽薄そうな語り口だが、内容はわかりやすく、よくまとまっている解説。

目取真俊 韓国で文学賞受賞 辛淑玉 × 北丸雄二 【マイノリティ・リポート】
 北丸雄二さんと辛淑玉さんによるこの映画についての対話(52分50秒から1時間8分40秒)では、かなり本質的なことが語られている。あくまでも日本人の日本人による日本人の映画であって、朝鮮人は背景としてしか描かれていない。良い映画、第一歩ではあるけど、その次へ行かないことには日本人の社会はアップデートされない。男社会から逸脱できない。朝鮮人は背景という部分は、『ワクチン開発と戦争犯罪 インドネシア破傷風事件の真相』に登場するマルタやロームシャに重なる。

森達也氏出演!『「福田村事件」から考える日本社会と差別問題』
 映画公開の2日前に、森達也監督と小林三四郎統括プロジューサーを交えてニコ生で放映された対談。森達也監がこの映画と過去と現代と日本人の背景についての大変深い内容を訥々と語っている。

映画が警告する相互不信が生む暴力
 ビデオニュース・ドットコムの神保哲生x宮台真司の対談の中では映画『福田村事件』の、特に脚本について辛口批判が語られている(1:26:40〜1:54:50)。


凄惨な事件から少し離れて、映画に描かれるいくつかのエピソードの場所を推定してみた。解説に書かれているかもしれないが、以下は、まだまったく読んでいない時点での推測。
(1)行商人一行のルートを推定してみた:
 →現在野田の西側に架かる野田橋(当時は渡しか?)あたりで江戸川を渡り、野田
  の町へ入った
 →野田の商人宿にしばらく逗留、そこで関東大震災に遭遇
 →茨城県へ渡るために福田村を通り遭難
(2)澤田智一・静子夫妻、島村咲江たちが汽車を降りたのはどこの駅か:
 →野田市駅、梅郷駅、運河駅は当時すでにあった
 →3駅とも、1911年(明治44)に千葉県営鉄道野田線 野田町駅(現・野田市駅)〜
  柏駅間開通と同時に開業
 →運河駅で降りるとすぐに運河を渡ることになるので、梅郷駅で降りたと考える
  のが妥当
(3)東京へ向かう澤田静子は、当初田中倉蔵の渡し船でどこへ運んでもらうつもり
  だったのか:
 →小舟で遠距離は無理なので、通運丸などが寄港する港(運河の出入り口付近か)
  まで運んでもらうことになるだろう
 →三ツ堀の渡し跡には現在も小舟が繋留されている様子
  (Googleマップ空中写真による)
2309201.jpg

[追記]映画解説に掲載されている脚本によると、(2)澤田智一・静子夫妻、島村咲江たちが降りたのは、野田町駅となっている。福田村の最寄駅は梅郷駅だと思われるが、戦死帰還兵の遺骨を迎える場面設定のために繁華な野田町駅前にしたのだろうか。ストーン・リバー:「福田村事件」の現地を訪ねるでは梅郷駅から歩き始めている。もう一つの疑問は事件の名称。惨劇は福田村の三ツ堀で起こったにしても、加害したのは福田村と田中村の自警団なので、福田村・田中村事件とも言われるようだが、なぜ福田村の名称だけで呼ばれることが多いのだろうか?このあたりのことは、辻野弥生さんの調査記録『福田村事件 -関東大震災・知られざる悲劇』を読めば全て解決するのかもしれない。次はそれを読んでみたい。
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日本軍がインドネシアで行った人体実験
2023-09-19 Tue 00:23
2309121.jpg『ワクチン開発と戦争犯罪 インドネシア破傷風事件の真相』
    倉沢愛子、松村高夫著 岩波書店 2023年 2300円

中国大陸での七三一部隊による戦争犯罪と同じような蛮行が他地域でも行われていたのではないか、と考えるのが自然だと今は思うのだが、9月2日付けの週刊現代:インドネシア人を破傷風のワクチンの実験台に…ほとんどの日本人が知らない「日本の暗い過去」を読むまでこのことを想像してみたことはなかった。七三一部隊の分隊とも言える南方軍防疫給水部がインドネシアで行っていたのも、失敗の隠蔽、自作自演、捏造、拷問、自白強要、処刑、証拠隠滅。自分たちの失敗を隠蔽するためにインドネシア人医師を主犯にでっち上げて、斬首後にローラーで潰したとは!どこまで鬼畜の仕業か。敗戦後、七三一部隊の上層部医師たちは、情報を米国へ渡す代わりに戦争犯罪を不問に臥され、戦後日本の医学界・医薬品メーカー・厚生省の要職に戻って行った。米国の手に渡った七三一部隊のデータのDNAはファイザーやモデルナに受け継がれ、七三一部隊の人脈は日本の医療界に受け継がれ今に至っている。そして因果は巡り巡り、日本人の健康・生命への脅威はそこにこそあったことがコロナ禍で再度浮かび上がったと言える。

かつて、1981年頃、森村誠一の『悪魔の飽食』を読んだ時には、戦争という異常時にはナチスではなくとも、日本人ですらこういうことができてしまうのかという日本人への信頼が揺らぐ恐ろしさを感じたが、関東大震災時の朝鮮人大虐殺然り、入管での所業然り、そして本書の虐殺然り、いまやこれこそが日本人のお家芸なのだと認めざるを得なくなっている。
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脱暴力のデザインを社会に実装していく試み
2023-09-16 Sat 00:00
2309161.jpg・ポリタスTV:ヒルタス:脱暴力のためのデザイン人類学|言葉以前の叫びに耳をすませ、正しさに回収されえない生のなかで「暴力」について考える|ゲスト:中村寛、MC:岡田麻沙
 タイトルを見ただけだと抽象的でわかりにくそうだが、番組を見始めるとすぐに引き込まれた。特に、差別の定義についての中村寛さんの解説がわかりやすい(1:00:20辺りから)。完璧な文字起こしではないが、メモがわりに記載しておく。

・日本の中で差別についての議論するときに抜けてしまうのは、全員が等しく満足するとかハッピーになることが差別の解消ではないという点
・差別にはそもそも定義があって、機会、領域、リソースへのアクセスが排除されるのが差別
・よく逆差別の議論が起こりやすいが、それは差別の定義を見誤っている
・差別は権力と密接に結びついていて、機会を手にすることができないという排除が差別の根本
・意識の話とか好みの話ではない
・偏見と差別は全然違うもの
・偏見から差別が生まれるものでも無く、逆であって、差別は制度なので、制度があることによって偏見が助長される、醸成されていく、強化されていくという順番になっている
・それが一番の問題であって、単純明快な人権が迫害されるとか、普通の人ができることができないとか、同性婚の問題もそうだし、トイレの問題もそうだし、基本的な普通に認められるものがなんで認められないのですかという、非常に単純な話
・そこに、逆差別の話を混ぜてしまって、区分けすること、慣習が壊れて恐怖を抱く人がいるんじゃないかとか、そういう不安の話とかになるが、そういう話では全然ない
・制度の中でそれを認めていくことは緊急を要するので、一刻も早くやった方がいい
・なんの言い訳も必要ない、単純に憲法が保障している人権の範疇の中で全てできること、すぐにやれることなので、やれないこと自体の方に問題がある
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ワールドカウンシルフォーヘルス(WCH)
2023-09-13 Wed 00:00
数日前に、パンデミック条約もやばいが、より凶悪なIHR改訂についてのわかりやすい解説でWHOの危険性についてのわかりやすい解説動画を紹介した。巨大組織のWHOに対抗可能かどうかはともかく、本来WHOが行うべき健康情報の発信などを行っていこうという以下の組織が発足しているらしい。

2309091.jpg・ワールドカウンシルフォーヘルス(WCH)
 コロナパンデミックは、グローバリズム専制の急先鋒としてのWHOが創出したと言えるが、WCHは健康についての自由を個人と各国へ取り返そうという、反グローバリズム、反WHOの新しい組織のようだ。
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自力では問題を解決できなくなっている日本人
2023-09-11 Mon 00:00
・海外記者がジャニーズ会見に見た日本の「大問題」
 ジャニーズ事務所の記者会見が行われたことで、問題解決へ向かう次の段階へ進むかと思いきや、時間稼ぎのネタが一つ増えただけに見える。というのもジャニーズ存続を前提に話が進んでいる様に感じるからだ。ジャニーズ問題をめぐる意見の中に、賠償をしていくためにはジャニーズを存続させるべきだという意見があるが、これは本末転倒な気がする。賠償は、ジャニー喜多川の莫大な遺産とジャニーズ事務所とその関連企業、加えて性犯罪を看過し幇助することによって加担してきた大手メディアを含めた関係者が責任を負うのが筋ではないのか。
 BBCのドキュメンタリーや国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会の査察が無ければ、この問題に大きな責任のある大手メディアもジャニーズ事務所自身もいまだに動こうとしていなかったことだろう。ジャニーズ問題の他にも、「リスクにさらされている」人たちとしてこの査察団が指摘したのは、「女性」、「LGBTQI+」(性的少数者)、「障害者」、「先住民族」、「部落」、「労働組合」などであり、日本人自身には解決する力は無いために延々と放置され続けている問題ばかりだ。
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パンデミック条約もやばいが、より凶悪なIHR改訂についてのわかりやすい解説
2023-09-08 Fri 16:41
・9/1 20:00~ 【ゲスト:佐々木みのり先生】WHOに対抗するWCH日本支部とは何か? 及川幸久The Wisdom LIVE Channel#92
 今回のコロナパンデミックでは、その初期から不可解な行動をとっていたWHOだが、いよいよ凶悪な本性を現してきたようだ。パンデミック条約もやばいが、それ以上にやばいIHR(国際保健規則)改訂。それについて、みのり先生が解説してくれる。

・WHOのパンデミック条約よりも怖いIHR(国際保健規則)とは何か?【心理カウンセラー則武謙太郎】
 及川幸久さんの動画でみのり先生が解説したIHR改訂の危険性・凶悪性を、則武謙太郎さんがさえらにわかりやすく解説してくれている。
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『デジタル・ファシズム』
2023-09-05 Tue 00:00
2308191.jpg『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』
        堤未果著 NHK出版新書 2021年 880円

デジタル化が為政者による国民支配にいかに都合が良いか、いかに容易く個人情報が抜き取られ、吸い上げられ、自由と権利の縮小と剥奪が進んでいるかに警鐘を鳴らす。これまで、政府が都合の良い様々な法律を国民に気づかれないうちに国会を通す際、どの様な目眩しのニュースが流されてその裏で国会通過をさせてきたかを、この法律の時にはこういうことがあったと具体的に記載しているくれているのは本書の優れた点だと感じる。ここに記載された重要な法律通過時に自分もあっち向いてホイ!に引っ掛けられていたことを思い知らされる。本書を読んでいると、ディストピアへ向けて死の行進を続ける亡者の国日本が浮き彫りになり、救われない感覚に襲われてしまう。
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百年どころか2年先も危ない日本の酪農
2023-08-26 Sat 00:00
2308252.jpg・チューリップテレビ:牛が熱中症で死ぬ深刻な暑さ 対策に励む酪農家は赤字転落「日本酪農史の史上最大の危機」と悲鳴  富山
 あのリテラシーの高い「百年酪農」のあおちゃんをしてこの状況では、どこも厳しい事態に見舞われているということだ。
[写真は記事のスクリーンショット]

 日本の酪農家の85%が赤字経営だし、あおちゃんも経営規模を拡大中なので当然赤字経営だったろう。コロナ禍、円安、飼料高騰、電気料金値上げなどの多重苦を負わされているところに、今年の酷暑が追い打ちをかけているという文脈のはずだ。このタイトルが「赤字拡大」であればより事実に近いのではないかと思う。
 今年の酷暑は成牛を殺すだけでなく、受胎率や出生率や子牛の生存率も下げるだろう。死なないまでも生存ギリギリの牛が受胎するはずもないのだから。そもそも健康な雌牛が生まれても、乳を出すのは最短でも2年数ヶ月後。この夏を経験する前の2月に流れた農家の未来会議の中であおちゃんは、まもなく酪農家が減って、牛乳が減って、価格が上がるという近未来予測をしていた。今年の酷暑によってそれが加速されそうだ。
 日本の畜産政策は、安全な乳製品生産との安定供給のために酪農家に多大な借金を負わせているにもかかわらず、酪農家に支払う乳価は据え置くことで生産物を安く仕入れ、消費者へ安価な牛乳を提供してきた。数年後、日本の酪農が崩壊して、安全な国産乳製品を手にいれるためには消費者も借金をしなくてはならない時代になるかもしれない。そうなってようやく失ったものの大きさに気がつくのだろう。

 →Spotify:百年酪農
 →Spotify:ベジフル大百科 The CROPS 第56巻:乳牛
 →Spotify:ベジフル大百科 The CROPS 第71巻:農家の未来会議

[追記]あおちゃん、別の番組でも取り上げられる。
・富山テレビ:連日の異常な暑さ『酪農にも影響』…搾乳が3割ほど減っている牧場も・妊娠へも影響で来年以降の牛乳生産は
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マウイ島の火事もショック・ドクトリンの発動か?
2023-08-25 Fri 00:00
・マウイ島で被災地買い上げの動き、州知事「略奪的行為」と批判…山火事死者114人に
 とても山火事には見えない火事を山火事と決めつけて報道しているのが胡散臭い。この火事で消失したラハイナには以前から大規模高級リゾート開発の話があったらしい。古くからの住民を退かすには、、、。


この事件を知った時、ナオミ・クライン著『ショック・ドクトリン 上・下 ー惨事便乗型資本主義の正体を暴く』がすぐに頭に浮かんだ。漁業者中心の地域に起こったリゾート開発での土地買収に抵抗していた地元民を津波が襲い街は壊滅したが、金を貰って新たな土地へ移住させる復興政策に乗せられず、自力で復興する道を選んだタイの事例が紹介されていた。マウイ島の事件と原因は違うが、復興のプロセスは参考になりそうだ。記事にある発言から、いまのところジョシュ・グリーンハワイ州知事はショック・ドクトリンを仕掛けた側ではなさそうなのだが、今後の政策はどうだろう。

日本消滅の未来も見えてしまうのかもしれない
もしも東日本大震災直後にショック・ドクトリンが発動されていたら
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射精責任 中絶禁止議論以前に解決するべきこと
2023-08-18 Fri 00:00
2307291.jpg『射精責任』 ガブリエル・ブレア著 村井理子翻訳 齋藤圭介解説
                太田出版 2023年 2200円

中絶禁止の議論。胎児の権利か女性の権利か。そもそも、なぜ中絶をしなくてはならないのか。望まない妊娠が起きたから。なぜ、望まない妊娠が起きるのか。避妊をしなかったから、あるいはできなかったから。では、避妊の責任は誰にあるのか。当然両性にあるとするのが偏らない考え方だろう。ここで最初へ戻ると、中絶の議論は女性の問題ばかりが注目され、男性の存在が見えていないことに気づく。著者は冒頭で「中絶を効果的に減らしたいと考えるのなら(多くの州が決定したように、中絶を完全に禁止するのなら)、女性を議論の中心に置くことは、二つの理由から根本的に間違っています。ひとつめ、妊娠中絶の禁止は効果的でないという明らかなデータがあるから。そしてふたつめ、先にも述べた通り、すべての望まない妊娠の原因は男性にあるからです。妊娠中絶を考える時、女性にだけ焦点を当てるのは時間の無駄です。」と述べ、続く本文で、望まない妊娠の原因である男性の無責任な射精を無くすための提言を行なっている。どの場所に書かれていたか見失ってしまったが、中絶の問題を妊娠した時点から考えてきたこれまでの議論に対して、妊娠に至らせる男性の問題まで遡ったこと、これは女性ですらこれまで気づいていなかった新しい視点だとしている。中絶については米国と日本とではだいぶ事情が異なるが、男女の権利の不均衡についてもわかりやすく書かれている。

ポリタスTV(7/27):『射精責任』日本発売を記念して著者インタビュー|ゲスト:ガブリエル・ブレア MC:リンダ
 約80分のインタビュー動画(字幕入り)。本書の紹介と解説的内容。
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日本の人権問題 国際レベルでの偏差値が見えてくる
2023-08-06 Sun 00:00
2308051.jpg・Arc Times:緊急ライブ 19:45~【国連会見、「当事者」の会の会見、読み解き】/国連、異例の踏み込み/何が分かったのか
 2023年8月4日に行われた国連人権理事会の会見についてのとても詳しい解説。
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日本が没落の道を歩まざるを得なかった理由
2023-07-27 Thu 00:00
・経済学者・水野和夫氏出演! 「世界経済・ニッポン経済の行方と資本主義の現在」(前半)
 2023年4月6日放送の無料パート。その最後の部分。
ジョー横溝:日本は先陣を切って没落先進国になっていった国だと思うのですが、ここまで行くまでに政治の舵取りでうまく行くギリギリのタイミングって、過去にあったのですか?
水野和夫:日米関係が根底にあって、80年台のバブルとか、米国の要請ですよね。円高にして、土地高にして、生命保険が潤って、米債を買える、米債を買うっていうのは、米ソ軍拡競争の財源になっているじゃないですか。ソビエトが解体したら、ベルリンの壁が崩壊したら日本の株価はすぐに下がる。だから、自然発生して自然崩壊したのではなくて、政策的にバブルを作れという要請がきて、証拠はないですけども。
白井聡:むちゃくちゃ納得しましたね。で、ソ連が崩壊したので用済みになった。
水野和夫:用済みになった。
島田雅彦:その後ですよねプラザ合意があって、ジャパンバッシングがあって、、。それまでは日本も潤う様にして誘導していったけれども、本来の目的が目立たなくなったというか政策転換ということで、あとはもっと日本から搾取してやろうと露骨になったわけですね。

水野和夫:プラザ合意の教訓で、ルーブル合意があったときに、ドイツは米国の言うことを聞かずにさっさと利上げして、利上げした直後にブラックマンデーが起きて米国が怒ったわけですね。お前が利上げしたからブラックマンデーが起こったと。そんなこといわれてもドイツは困っちゃいますが。日本はずっと低金利にして。そこからドイツは東ドイツを購入して、統一通貨ユーロも作って。今はヨーロッパ30ヵ国くらいの頂点にいる。ドイツは独自路線。長期政権の中曽根、小泉、安部、みな新米政権。新米政権でないと長期政権はできない。
白井聡:今の話は非常に意味深なことで、そのドイツがですよ、ウクライナ戦争で対米従属ですよ。日本みたいなことやっているのかという感じになっちゃった。いままでは東方外交ということで、ロシアはクマの様にやばいけども、付き合わないわけにはいかないので、ドイツが窓口なんだという形でやってきた。そしたらクマがついに一線を越えちゃった。俺が対話の相手として押さえているのだからというドイツの理屈がなりたたなくなってしまった。ウクライナ紛争始まって以来のドイツのジグザク迷走は見てて可哀想になるくらい。(いろいろな武器)を送りウクライナを全面的にサポートしていこうというところに行った。東方外交が破綻したことを告白したに等しい、ドイツですら。ある意味米国の勝利、言うこと聞かないドイツを屈服させたという状況にある。ただ、まだ終わらないのはそれがまたひっくり返ってねということになりそう。ドイツですらそう、日本はどうなのということ。80年代、日本人の勤労、汗の結晶をいかに米国が吸い上げたかということですけども、2020年代、今度は文字通り血ですよ。対中国で日本は最前線に立てと、当然だろということですから。ある意味それで本当に戦後は終わるんだなと、ようやく決着がつくんだなと。
ジョー横溝:この大局観知っておいた方がいいね。
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mRNAワクチンの次は飢餓の実験に差し出されそうな日本
2023-07-23 Sun 00:00
・鈴木宣弘氏出演! 「武器より農業を! ~日本の食料自給率問題・食の安全保障問題を考える~」ゲスト:鈴木宣弘、出演:島田雅彦・白井聡、司会:ジョー横溝
 2023年1月20日放送の前半無料パート部分。『世界で最初に飢えるのは日本』の著者・鈴木宣弘先生がゲストで、日本が世界に類を見ない農産物自給放棄国家である状況を解説している。自民党政府は、コロナ禍で日本国民をmRNAワクチン頻回投与の人体実験に提供し、食糧問題でも日本を危険薬物漬け食糧の実験国に差し出しているし、可能な限り自給率を下げることで飢餓の実験国にすることも計画している様に見える。
別窓 | 大震災・原発・社会 | コメント:1
もしも東日本大震災直後にショック・ドクトリンが発動されていたら
2023-06-28 Wed 00:00
『ショック・ドクトリン 下 ー惨事便乗型資本主義の正体を暴く』
         ナオミ・クライン著 岩波書店 2011年 2500円

2306223.jpg 本書上巻については先週紹介した(日本消滅の未来も見えてしまうのかもしれない)。読むのが大変なので飛ばし読みではあるが、やはり下巻も買わずにはいられなかった。
 原著発行が2007年なので東日本大震災については語られていない。しかし、この日本語訳岩波書店版が発行されたのは2011年9月なので、訳者あとがきには以下の様に書かれている。「翻って今年の三月十一日、東日本大震災とそれに伴う津波および福島第一原発事故という未曽有の「ディザスター」に見舞われた日本にとっても、本書の内容は重くのしかかる。(中略)同じ自然災害でも、アジアの津波やハリケーン・カトリーナの際のようなあからさまな惨事便乗経済の発動は今のところ伝えられていないものの、復興の名を借りて住民無視・財界優先の政策を打ち出す自治体も出てきており、予断を許さない状況である。ショック・ドクトリンの導入が行われないよう、私たち市民は心して目を光らせていく必要があろう。」と。
 ショック・ドクトリン発動は、とにかくスピード。つまり、大惨事が起きて市民がダメージを受けて立ち上がれない状態にいるその時に一気にやってしまうというのがお決まりの手法だという。そういう点では、東日本大震災直後にショック・ドクトリンは発動されなかったのかもしれない。もしかしたら、それは自民党ではなく民主党政権であったことが、日本にとっては千載一遇の幸運であったということなのかもしれない。ただ、典型的なショック・ドクトリンは発動されなかったにしろ、結局その後日本の富はじわじわとが外国資本によって食いちぎられて、結論は同じ所に行き着いてしまったのかもしれない。
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日本消滅の未来も見えてしまうのかもしれない
2023-06-14 Wed 00:00
2306081.jpg『ショック・ドクトリン 上 ー惨事便乗型資本主義の正体を暴く』
      ナオミ・クライン著 岩波書店 2011年 2600円

 書名は以前から知っていたが、ただいまNHK「100分de名著」名著130で取り上げられている。堤未果さんの解説を聞きながら、近年に起こったあの事件もこの事件もその事件も、どれもこれもショック・ドクトリンを実践していただけだったのかと今更ながら愕然とした。日本をターゲットにショック・ドクトリンが実行されれば、赤子の手を捻るよりも簡単にグローバル資本主意義の奴隷と化すことだろう。そんな日本消滅のシナリオも見えてしまいそうだが、下巻を含めてどこまで読めるか、できるところまで読み進んでみようと思う。それにしても、拷問に次ぐ拷問のページを捲り続けるのは気が滅入る。どこかに救いはないのだろうか。案の定挫折してしまった時は、

『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』
                  堤未果著 幻冬舎新書 2023年 940円

へ乗り移ろうと思っている。
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勇気の形
2023-05-27 Sat 00:00
2211093.jpg『裸で泳ぐ』 伊藤詩織著 岩波書店 1600円 2022年

 伊藤詩織さんは性犯罪の被害者であることを告白し社会に問題を提起した。その勇気に感銘を受けると同時に彼女が直面した苦しみとその原因を温存しようとする日本社会のあり方に愕然とする。性犯罪の根本的な問題解決や社会的な改革は待ったなしだ。

2305101.jpg『声をあげて』 五ノ井里奈著 小学館 2023年 1650円

 これまでの五ノ井里奈さんの勇気ある行動と発言に力を得た人や今は死ぬのをやめようと思った人は大勢いると思う。それは、性暴力によってもたらされる被害者の心の内だけではなく、前を向いて生きる姿をストレートに表現しているからだろう。『声をあげて』の一番の意味は「声を上げて」だと思うが、まだ声を出せないでいる人へ向けて「声を届けてあげて」という意味にも感じられる。
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第4次産業革命の真っ只中で古典的なAIを思い出す
2023-05-26 Fri 00:00
AIがスーパーコンピューターの中だけで動作していた牧歌的な時代は過去のものとなり、庶民がChatGPTの面白さに目を奪われている間にも、AIの実態は遥か先へ進んでいる。ノウカノタネのつるちゃんの言葉を借りれば、AIの進化は指数関数的だからまだまだと思っても、追いつかれた次の瞬間にはもう手の届かないほど遠くへ行ってしまっているものだと。

2305151.jpgAIに良いイメージがないのは、1964年頃の子供時代に見た『鉄人28号』の考えるロボットロビーのエピソードによる刷り込みが強烈だからだと思う。その最終回「ロビーの最期」がYouTubeにあった。このエピソードではロビーの企みは早々に潰され牧歌的に終わるが、現在のAIはロビーの轍は踏まないだろう。
[画像は「ロビーの最期」のスクリーンショット]

 →YouTube:鉄人28号 第26話 ロビーの最期
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ミサイルが飛ぶ時、日本政府に悪巧みあり
2023-05-19 Fri 00:00
2301111.jpeg『北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか』
         秋嶋亮著 白馬社 2018年 1700円

 ミサイルに動揺しないのは今や公然だからで、政府の悪巧みにも動揺しないのは日本人が羊の群れだからか。

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主力は戦後民主主義を享受したはずの世代
2023-04-30 Sun 00:00
2303111.jpg『シニア右翼』 古谷経衡著 中公新書ラクレ 2023年 900円

 戦後民主主義を享受したはずの世代なのに、ふんわりした看板のままその本質を理解できてはいなかった。また、その世代はネット社会に乗り遅れていたがために、ネットリテラシーを身につける経験のないまま高速回線時代に放り込まれてしまい、YouTubeなどのトンデモ動画を選り分ける能力がないために一撃でネットを通じて右翼化してしまった、それがシニア右翼だというのが著者の分析だ。本文では右傾化の実態とか、右翼とは、保守とは、民主主義は根付かなかった理由などについて述べている。日本に「真の民主主義」が可能だとしたらこう言う方向かもしれないというのを最後に示しているが、自分の身近にも心当たりのあることだった。

 →大竹メインディッシュ23年4月21日:ゲスト・古谷経衡
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縦読み・横読み
2023-03-27 Mon 00:00
旧聞に属するかもしれないが、『静岡新聞』2020年9月12日号の「大自在」というコラムが紹介されていた。コラムの内容に共感するし、隠されているメッセージがこれまたすばらしい。『静岡新聞』、注目したい。

縦読み・横読みの傑作・『静岡新聞』2020年9月12日号の「大自在」
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県内の近隣館でも上映してほしい
2023-03-26 Sun 00:00
2303251.jpg映画『妖怪の孫』が全国で公開され始めているのに、なんと茨城県内には上映館がないとは。まぁ、茨城県は自民王国だから上映しにくいことは推測できる。でも、映画館に上映してほしいという希望が多数寄せられることで、来館者の見込みが立てば状況は変わるだろう。

 →共感シアター:映画『妖怪の孫』公開記念 今なお蔓延る妖怪の魔の手 大激論スペシャル

 →公式サイト:映画『妖怪の孫』
 →公式ツイッター:妖怪の孫
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汚染され、多様性のなくなった日本の地力が養える人口は何人か?
2023-02-07 Tue 00:00
2302011.jpeg『そのとき、日本は何人養える?』 篠原信著 家の光協会
                    2022年 1500円

鈴木宣弘氏の『世界で最初に飢えるのは日本』を貸してくれた知人が、次に本書を持ってきた。時間が空いた時に読んでみたが、日本が自給自足で養える人口は3000万人だという。鎖国していた江戸時代に人口3000万人で頭打ちになったのは、それが日本の国土が養える限界だったからだという。その数字の根拠はともかくとして、江戸時代に比べて国土の多様性は破壊され、汚染され、地力は失われ、人間の体格は大きくなり、免疫力は低下してしまっているので、同じだけの人口を養えるとは思えないのだが。
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救いを求める女性たちにとっての解放区か
2022-12-26 Mon 00:00
2212114.jpeg『ルポ 女性用風俗』 菅野久美子著 ちくま新書
                    2022年 840円

 女性用風俗(女風)と聞いて、ホストクラブ的なものかと想像したが、どうやらかなり違う世界のようだ。むしろ、落ち着いた癒しの空間と時間を提供することが期待されているようで、現代の日本でさまざまな理由から救いを求める女性たちにとっての解放区的な存在なのかもしれない。女性用風俗に所属してサービスを提供する男性をセラピストと称するらしいが、提供しているサービスは確かにセラピー、ケアワークと言っても良さそうな感じだ。それにしてもなかなかディープな内容の本だった。巻末に収録されている、著者と宮台真司氏の対談も読み応えある。
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結局世の中を構成しているのは程度の差こそあれ、、、
2022-12-21 Wed 00:00
2212121.jpeg『バカと無知』 橘玲著 新潮新書 2022年 880円

 タイトルが最も良かったかも。
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日米政府と日本人はどんな戦争を夢見ているのか?
2022-12-05 Mon 00:00
2212031.jpeg『また「沖縄が戦場になる」って本当ですか?』
   ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会編 2022年 500円

本書は、『証言 沖縄スパイ戦史』を書いた三上智恵さんの講演会などでも紹介されていた。すぐに申し込んだが初版は発売直後に完売したということで数週間後に届いた。良いタイミングで豊田勇造ライブが開催されるので、会場に数冊置かせていただいたところ、最初に勇造さんが買ってくださった。

冊子の購入は以下のサイトから。
 →ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会:ブックレット
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本当の自給率10%以下! 飢える日本が現実化しそうだ
2022-12-02 Fri 00:00
2211301.jpeg『世界で最初に飢えるのは日本』 鈴木宣弘著
            講談社+α新書 2022年 900円

 職場の若者に呼び止められて、この本を薦められた。つい最近出版されたことは知っているがまだ読んではいなかった。少しでも自分の頭で考えることができるなら、今の日本の悲惨な状況に気づき、将来に不安を感じるのは当然だろう。特に若い世代なのだから。いまのところ私たちの目の前の風景はあまり変化がないかのように見えているが、日本の足腰も中枢もガタガタではないか。一見スーパーには食料品が溢れているように見えてはいても、無くなり始めたらあっという間だろう。気づいた時はもう後の祭りだ。それが、現実化しそうだ。
 茨城県や千葉県は酪農・畜産大国だ。そうした農場を回る仕事をしている知人が、「牛屋さん、もう何軒も潰れています。そして、鶏肉・卵の供給大手にも大事故が起こったのでそちらの市場もまもなくたいへんなことになると思います」と言っていた。

本書への導入に最適な著者鈴木宣弘先生の動画:
日本中小企業経営審議会 第一回基調講演ダイジェスト「農業消滅 : 農政の失敗がまねく国家存亡の危機」
「食の安全保障」を確立しなければ危ない食品が日本に集まる。鈴木宣弘・東大大学院教授に聞く
11月30日農水前・鈴木宣弘スピーチ
動画を見終わったら、本書『世界で最初に飢えるのは日本』を読むべし。
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フクイチ1号機の倒壊はドミノの始まり
2022-11-21 Mon 00:00
・森重晴雄×おしどりマコケン緊急zoom対談 「ふくいち1号機は今どうなっているの?

・西谷文和 路上のラジオ第110回:「原発の危機!二人の専門家に訊く!」
 <前半> 森重晴雄さん(原子炉耐震構造の専門家)
 <後半>小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)

・小出裕章講演会「原発のない世界をめざして」2022.11.5 尾道
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人新世での実践モデル
2022-11-18 Fri 00:00
2211092.jpg『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』
       斎藤幸平著 KADOKAWA 2022年 1500円

『人新世の「資本論」』の著者齊藤幸平氏が、2020年4月から2022年3月にかけて毎日新聞に連載したものに加筆し、書き下ろしを加えたエッセイ集で、前著とは大きく趣が異なる。いまや大阪市立大学の先生ではなくなってしまったが、本書そしてこれからの齊藤幸平氏の実践が宮本憲一先生のアドバイスで始まるというのは良し。
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