2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
2024年版『天文年鑑』
2023-12-04 Mon 00:00
2311301.jpg『天文年鑑』2023年版 天文年鑑編集委員会編 誠文堂新光社
                     1364円 2023年

今年も買います、『天文年鑑』。
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観測記録方法のサンプル集として価値ある一冊
2023-10-29 Sun 00:00
2310212.jpg『天体観測記録集』 橋本秋恵著 誠文堂新光社
                 2021年 2400円

1年がめぐり年会費の振込用紙が同封された東亜天文学会『天界』10月号が届く時期がやってきた。2023年2月の変光星の観測報告数の表を見ながら、自分の記録は正しくは4夜1星4目測と書かれるべきではないだろうかなどと思いながらページをめくっていると、新刊紹介のコーナーの本書に目が止まった。
著者の年齢は私より5歳年上のようだが、星を見始めたのは1968年年末なので私とほぼ同じ時期になる。そのため、住んでいる場所は違うが、体験はほぼ共通している。だが、同じ体験をしても決定的に違うのは、観測データを記録し続けられたことだ。
夜の天気集計図、月別平均晴天夜率、晴天夜率の34年間の推移、晴れの特異夜はあるのかなどは、集めたデータを色々な角度で集計したもので、データの精度には雲泥の差があるが、自分も似たようなことをやっているなぁと共感した。
デジタル時代になって、銀塩カメラはデジタルカメラに置き換わったが、眼視データの取り方にそう大きな変化はないだろう。様々な対象天体についての観測記録方法のサンプル集として、特に若い世代へ向けて価値ある一冊だと感じた。
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『天文年鑑』2023年度版
2022-12-17 Sat 00:00
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『天文年鑑』2022年度版
2021-11-22 Mon 00:00
2111211.jpeg今日はネタがないと思っていたら、54冊目が届いていた。
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『天文年鑑 2022年版』 は11月22日発売です
2021-11-12 Fri 00:00
2111092.jpg・天文現象予想データ&観測結果が満載の天文ファン必携の一冊『天文年鑑 2022年版』!
 11月22日予定の『天文年鑑 2022年版』について、BIGLOBEニュースでデカデカと取り上げられ、見出しが全部紹介されている。
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『天文年鑑』2021年度版
2020-12-26 Sat 00:00
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とこさんの『星狩りの夜』 記念特価で販売されている
2020-08-25 Tue 00:00
2008081.jpgとこさんの『星狩りの夜』が「新時代の天文ロマン漫画」というキャッチフレーズを頂いてアストロアーツショップでドドドーンと発売されている。それも、『星ナビ 9月号』に掲載された記念で特価1870円→1650円(税込)になっている。詳しくは以下のリンクへ。

 → AstroArts オンラインショップ:新時代の天文ロマン漫画「星狩りの夜」
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ささきさとこさん『星ナビ』9月号に登場
2020-08-10 Mon 00:00
ささきさとこさんの漫画『星狩りの夜』の紹介記事が4頁に渡って掲載されている『星ナビ』9月号がようやく到着。

2008081.jpg『星狩りの夜』については、今年の春に出版された際に、このブログでも紹介させてもらった。
 →とこさんの新刊【星狩りの夜】はこんな本

ストーリーは、ベテラン星狩り少女・キラが、一人で暮らす少年・星壱を(星を見るという共通点のある)いろいろな人たちとの出会いへと誘っていく物語。その物語の中で、ささきさとこさんが制作・販売している星狩りグッズである「星座早見盤」の使い方を説明してくれたり、「星狩りノート」を使う人たちとの交流の場へ連れて行ってくれたりもする。

2008082.jpg『星狩りの夜』は、星の世界へ誘ってくれる単なるファンタジー漫画でなくて、リアルなグッズを鍵にして、現実の世界と漫画の世界と行き来できるように仕組まれた不思議な距離感の新感覚漫画なのだが、その辺りの制作経緯や作品に織り込んだ想いなどについて、この『星ナビ』の記事の中でささきさとこさん自身が語ってくれている。

『星ナビ』を読んで興味を感じる人ならば、ルーチカのグッズや漫画を手にすれば、さらにささきさとこワールドの広がりを楽しめると思われる。

 →ルーチカ/RUCHKA
 →RUCHKA STORE:星狩りの夜
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とこさんの新刊【星狩りの夜】はきれいな本に仕上がっている
2020-05-10 Sun 00:00
『星狩りの夜』 佐々木聡子著 ルーチカデザインオフィス 2020年 1650円

2005091.jpg『flyby』や『ロコノ』でおなじみの、佐々木聡子さんの新刊【星狩りの夜】が届いた。とこさんを思わせる星狩り少女キラと出会った主人公星壱がルーチカ世界を体験する物語とでも言えるか。天地小口が金付けされ、アンティークな感じのカバーを外すと、モダンな本体表紙が現れる。ものとしての本に対するとこさんのこだわりが感じられる、とてもきれいな本に仕上がっている。カバーのそでに登場人物キラのイラストととこさんのサイン入りオプション付きを購入した。いま、ささきさBOOTHを見たら、サイン入りは全種類が完売になっている。でも、諦めることはない。プレーンを買ってどこかの会場でとこさんにサインしてもらうって手もあるぞ。

2005092.jpg 2005093.jpg

 → ささきさとこ/Sasaki Satoko【星狩りの夜】
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『霞ヶ浦天体観測隊』も13年続いて26巻
2020-02-05 Wed 00:00
2002041.jpgブログの内容を半年ごとに冊子化してきたものが26巻になった。日記のつもりで書いているブログなので、自分の力が及ばないところでデータが消失した場合のバックアップのつもりで書籍化している。たいしたことを書いているわけではないが、それでもたまにはみなさまの日常に一滴の潤いを投げ掛けているとしたら、書いている甲斐があるというものだ。根気の続かない性分なのだが、大した困難もなく13年続いているということで、まだしばらくは続けられそうだ。
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蝕知図の作り方や使い方を解説した貴重な冊子
2020-01-26 Sun 00:00
2001251.jpgTACTBOOKシリーズ
『蝕察画・蝕察写真の制作と鑑賞ハンドブック』 
      TEAM MASA/Studio TACT編集 2019年

 先日来、蝕知図に関してmasaさん、みゃおさん、S.Uさんらによってコメント蘭が盛り上がっているが(→2020-01-13)、そのmasaさんが中心となって制作されたとても珍しい、おそらく唯一の、蝕知図の解説冊子。
 蝕図・蝕察写真・蝕察画とはから始まり、蝕察での画像感知のための訓練の必要性、構成要素分割表現法、天体写真・ポートレート・浮世絵などの加工の基本、解説文のつくりかた、鑑賞者の案内などなど、蝕知図を活用していく上での指針となる内容構成になっている。ここにまとめられている内容は、masaさんの何十年かの研究と実践の成果の一部なのだと思う。こうした技術やノウハウが、masaさんの定年退官で途切れてしまうことがないことを願いたい。
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『天文年鑑』2019年度版
2018-11-25 Sun 00:00
1811241.jpg近年、天文生活の低調期に入っているため51冊目の『天文年鑑』もあまり感動がない。
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天文民俗学者北尾浩一氏の著作本
2018-06-26 Tue 00:00
1806013.jpg最新著作『日本の星名事典』を紹介した機会に、私が所蔵しているものだけだが、これまで刊行されてきた北尾浩一さんの著作をここに挙げておく。また、拙ブログで取り上げたものはリンクも書いておいた。

■『ふるさと星物語』 北尾浩一著 神戸新聞総合出版センター 880円 1991年
 『スカイウォッチャー』創刊号1983年8月号から88回連載した「星の和名」をまとめたもの。148頁。
■『星と生きる 天文民俗学の試み』 北尾浩一著 ウインかもがわ 1200円 2001年
 『天界』1998年4月号〜2000年12月号に連載された「天文民俗学試論」をまとめたもの。136頁。
■『星の語り部 天文民俗学の課題』 北尾浩一著 ウインかもがわ 1000円 2002年
 『天界』2001年1月号〜2002年6月号に連載された「天文民俗学試論」をまとめたもの。95頁。
■『星を見よう おじいさんおばあさんの星の話』 ごま書房 1200円 2004年
 『天界』2002年7月号〜2004年2月号に連載された「天文民俗学試論」をもとに、大幅に写真や図を加えて書き直したとある。152頁。
■『天文民俗学序説 -星・人・暮らし-』 北尾浩一著 学術出版会 2730円 2006年
 私が最初に購入した北尾さんの著書。春の七夕ともいえる、アネサマボシ(スピカ)とアンサマボシ(アルクトゥルス)の星名に心惹かれた。また、「満点の星を見て「プラネタリウムのようにきれい」と人が感激するとき、バーチャルな世界が本物と偽物を逆転させ、人間の感性と言葉を狂わしている恐ろしさに気づく」という言葉は示唆的だ。北尾さんの他の本に比べると、学術的色彩の濃い内容になっている。2004年以降の『天界』に掲載された「天文民俗学試論」第78回〜第86回、1999年以降の『日本民俗学』に掲載された3本の論文で構成されている。139頁。
  →春の七夕
■『ふるさと星事典-星とあそぼう-』 福澄孝博・北尾浩一共著
             南日本新聞開発センター 1500円 2008年
 『天界』に連載された「天文民俗学試論」第87回〜第100回(第93回を除く)の鹿児島に関連する記事をまとめたもの。156頁。
  →晴耕雨読、もとい、晴観雨読、さらにもとい、曇読雨読
■『日本の星名事典』 北尾浩一著 原書房 3800円 2018年
 北尾民俗学の集大成。465頁。
  →北尾浩一ライフワーク 遂に刊行! 『日本の星名事典』
  →北尾浩一ライフワーク  『日本の星名事典』が到着
  →北尾民俗学の真髄  『日本の星名事典』
■「天文民俗学試論」(東亜天文学会『天界』2018年5月現在176回連載中)
  →北尾浩一さんのこと
  →文献天文学に遊ぶ
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北尾民俗学の真髄  『日本の星名事典』
2018-06-14 Thu 00:00
1806071.jpg『日本の星名事典』 北尾浩一著 原書房 3800円 2018年

 →原書房>『日本の星名事典』
 →Amazonカスタマーレビュー

 北尾浩一さんが星の伝承の取材を始められたのは1978年だと以前どこかに書かれていた。20世紀末まで各地に残されて来た星の伝承を何としてでも21世紀へ伝えなくてはという思いだったらしい。456頁の大著の完成によってかなりのところまで達成できたのではないかと思いたいが、本書刊行直前のお知らせに「私の力でとてもできないページ数にチャレンジしてしまったのですが・・・それでも、まだ書きたかったことがある状況です」とあり、ご本人の中ではまだまだ完成には至っていないことが知れた。日本各地を歩き、その場で行き合った人との会話の中から話を聞き出すというのが北尾さんのスタイルなので、そもそも取材の終了とか完結はありえないのかもしれない。
 野尻抱影氏の『日本の星』『日本星名辞典』を読んだことの無い私には、比較の中で特徴を述べることはできないが、取り上げられている星名の多さに加えて、一つ一つの星名に纏わるエピソードの豊かさが本書の大きな特徴だと感じる。書名は「事典」となっているが、これは明らかに読む本である。読んで、その星の和名を使ってきた人たちがどういう地域でどういう生活をしてきたのかを垣間見る、そういうための本だと言える。Amazonカスタマーレビューの中でも「膨大な参考文献」が評価されているが、実はあそこに全く掲載されていない東亜天文学会『天界』に今現在176回長期連載されている「天文民俗学試論」の基礎になるフィールドワークでの採集資料も漏らすことのできない厖大な北尾データベースだと思う。ネット版の「天文民俗学試論(1)」(東亜天文学会民俗課ホームページ)は冒頭「星と暮らした人びとの言葉の力はものすごい。そこには、自然認識の力、生きる力、的確な判断力…と、私たちが失ってしまったすばらしいものがいっぱいある。だからこそ、星の伝承を、今では役に立たないもの、非科学的なものとして捉えるのではなく、あるいは、ふるさと的なもの、ロマンを感じさせてくれるものとして捉える段階にとどまるのではなく、21世紀、人間の生き方を考えるときに大きな示唆となるものとして捉えていきたい。」と書き始められている。21世紀へも引き継ぎたいという願いを貫く、北尾民俗学の視点・真髄がここにある。
 ご病気と戦いながら取材をされている北尾さんを遠くからハラハラする思いで見ていた身には、とにもかくにも本書が刊行され一区切りになったことに安堵している。一つ残念だったのは、各星名が日本のどこで採集されたのかが分かる地名索引がなかったことだ。「まだ書きたかったこと」があるそうなので、この私の希望も加えていただき、将来改訂増補版として実現されることを期待したい。
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北尾浩一ライフワーク  『日本の星名事典』が到着
2018-06-02 Sat 00:00
1806012.jpg『日本の星名事典』 北尾浩一著 原書房 3800円 2018年

 →原書房>『日本の星名事典』

 出版日が決まりましたという北尾浩一さんからのお知らせを受けて、4月30日にご紹介をした本書がいよいよ手元に到着した。まずは、ご病気と並走しながらの、大書『日本の星名事典』の完成と出版を心よりお祝いしたいと思う。本書は、北尾さんの長年の努力の集成ということに加えて、天文学の一分野にとどまらない豊かな内容、すなわち日本各地の民俗学や郷土史に幅と奥行きを与えるとても大きな意味と価値を持った1冊と感じる。内容のご案内についてはまた後日を予定している。
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北尾浩一ライフワーク 遂に刊行! 『日本の星名事典』
2018-04-30 Mon 00:00
1804281.jpg『日本の星名事典』 北尾浩一著 原書房 3800円 2018年

 →原書房>近刊案内

天文民俗学研究者で星の伝承研究室を主宰する北尾浩一さんの最新著作『日本の星名事典』が5月下旬に刊行される。8年前の5月、北尾さんにお願いして、大阪の泉佐野から岸和田の海沿いを歩きながら元漁師や地元の方々から聞き取り調査をする現場に同行させていただいた。その後、自分でも霞ヶ浦でかつて帆引き漁をされていた漁師さんから星の和名を採集したり、霞ヶ浦周辺からのカノープスの見え方に関する情報をご提供したりと、微々たるものではあるがお手伝いをさせていただいた。
本書は東亜天文学会機関誌『天界』に長期連載されてきたものを骨格にしてまとめられたものだが、ご病気を抱えながら、文字通り命を賭しての取材と執筆だった。いまはただお元気で完成に至ったことをお祝いしたい気持ちでいっぱいだ。

出版され手元に届いてから改めてご紹介したいと思う。
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【募集】『藤井旭の天文年鑑』11年分お譲りします
2018-03-04 Sun 00:00
先日は、KZS_INAさんの『天ガ』『星の手帳』お譲りコーナーを作ってご協力させていただいたが、その後問い合わせはあっただろうか。

[追記]以下の件についての募集は終了いたしました。
今回は、自分の持っている『藤井旭の天文年鑑』をお譲りしようと思う。

1803011.jpg書名:『藤井旭の天文年鑑』
号巻:2007年版から2017年版までの11冊
状態:書き込みは無かったと思いますが、使用感はあります。
条件:まとめてでもバラでも構いません。
   ご希望の方には差し上げます。送料はご負担ください。
期限:2018年3月11日まで
連絡先:かすてん
メール:kasuten(at)mac.com :(at)を半角に変える
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【募集】  『天ガ』『季刊星の手帖』バックナンバー希望者へ譲ります
2018-02-25 Sun 00:00
[追記]ご依頼主のKZS_INAさんからご報告があり、本記事掲載内容については全て引き取り先が決まったとのことです。お役に立てて良かったです。お問い合わせくださったみなさまありがとうございました。(2018/03/09)

ブログ読者の方から、以下の号についてご希望の方にお譲りしたいというメールをいただいた。
月刊天文ガイド1977年:2冊 7月と12月
月刊天文ガイド1978年5月~1983年12月:68冊 この間欠けなし
月刊天文ガイド1984年:3冊 2月、3月、5月
月刊天文ガイド1985年:1冊 10月
季刊星の手帳(河出書房新書):20冊 Vol.1~Vol.20(1978年夏~1983冬) この間欠けなし
季刊星の手帳:5冊 Vol.22,23,25,27,30

状態:若干の経年劣化(色あせ)はありますが、読むのに支障はないと思います。
条件:全部引き取っていただくのが理想ですが、ご希望の号のみにも応じます。
期限:2018年3月31日まで。
連絡先(ニックネーム):KZS_INA
メール:blizzard(at)mail1.accsnet.ne.jp :(at)を半角に変える

180222KZS_INA.jpeg私もかつて実家に保管してあった『天ガ』8年分+αを処分した事がある。それは30年ほど前のことで、『天ガ』の交換コーナーに掲載してもらったところ、近隣から北海道まで複数の問い合わせがあった。ただのゴミとして捨てることを考えれば、興味ある方に引き取っていただけるだけでありがたいと感じる。本件のご依頼主さんも同じ様にお考えの様だ。1冊からでもお譲りくださるそうなので、気になる号のある方はぜひ上記のアドレスへお問い合わせいただきたい。[右写真はお譲りしたいものの一部]
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星地名は災害に強いのか?
2018-01-13 Sat 00:00
1712242.jpg『星地名』 森下年晃著 無明舎出版 2011年 1890円(税別)

 古くから使われてきた地名の中にはその土地の性質を表すものがあって、それを解読できれば将来の危険を避けることにもつながるといったことはしばしば耳にする。本書は東日本大震災を経験した著者の願いが込められた本の様である。本書の要点を一言で言えば「縄文人が星に関連した地名を付けた場所は災害を受けにくい」ということらしい。
 縄文人が命名した星地名には「星」の他にも、細、押、遅、打、内、乙、音、牛、市、一、程、保土、保津と表記されているものなど多数あるという。ただ、縄文語の理解が無いと真偽の判断はできそうに無い。次に、星地名の多くは縄文時代に行われた方位測量によって誕生したという。それは3対の目標地形を結ぶ3本の線の交点など幾つかの条件を満たす地点になるらしい。そして、著者が星地名と考える地点は2011年の大震災で揺れや津波による大きな被害を受けていないらしい。
 という内容を知った上で、第1章「星地名とは」から読み始めたが、数回読み返しても納得感を得るには至らず、立ち往生状態になっている。全てが仮説の積み重ねで、証明が無いからかもしれない。星地名は災害を受けないという仮説も、危険な場所にあった星地名は早い時期にすでに災害を受けて消滅してしまった可能性も否定できないが、その証明もなかなか難しそうだ。
 ネット上には、本書をトンデモ本と評しているコメントもあった。確かに、仮説に仮説を積み重ねていく内容なので評価は難しい。しかし、掲載されている多数の「星地名と浸水範囲地図」を眺めていると、仮説と証明は成立していなくても、著者が星地名とする地点が2011年の大震災の津波を免れていたことは確かのように感じられる。縄文語や縄文人の方位測量などの証明困難な仮説を介在させずに、津波被害に遭わなかったのは上記の文字(あるいは音)の地名が落ちている場所ということを出発点にしただけの方がむしろ説得力がありそうに思われる。
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50冊目の『天文年鑑』2018年度版
2017-11-25 Sat 00:00
1711241.jpg去年48冊目と書いてしまったが、1969年版から買っているので正しくは49冊目だったことになる。ということはこの2018年版が50冊目になるわけだ。週刊誌や月刊誌で50冊集めたからといって自慢にもならないが、年鑑50冊はちょっと嬉しいかも。紙質も画像もなんでも許したる。
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新装版として『新訂ほしぞらの探訪』が復刻される
2017-04-05 Wed 00:00
1704021.jpg『新装版 ほしぞらの探訪』 山田卓著 地人書館 2000円 2017年

1995年刊の『新訂ほしぞらの探訪』が「新装版」として復刊されるそうだ。『新訂ほしぞらの探訪』は2007年に天文復帰した際に最初に買った本の一つ(→『新訂ほしぞらの探訪』)。一見内容は地味だが、肉眼・双眼鏡・小望遠鏡での楽しみ方の本道をガイドしてくれる好著。
「新装版刊行にあたって」には「今回の新装版は,改訂ではなく復刻とさせていただきました」と書かれているので、私の手元の本と基本的に同じと考えられる。素晴らしい本ではあるが、ビジュアル本が受ける現代では、地味ゆえに苦戦しそうな気がしないでもない。
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『天文年鑑』2017年度版
2016-11-22 Tue 00:00
1611201.jpg48冊目の『天文年鑑』が届いた。

来年2017年の見所はこんなところか。
 1月 1日 火星と海王星の大接近。
    3日 しぶんぎ座流星群極大。
 2月 中旬 エンケ彗星(2P/Enche)が観察好期(8~7等級)。
 4月11日 タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P/Tuttle-Giacobini-Kresak)が近日点通過(6~5等級)。
 6月12日 ジョンソン彗星(C/2015V2)が近日点通過(6~7等)。
 7月25日 水星食。
 8月 8日 部分月食。
   12日〜13日 ペルセウス座流星群極大。
12月14日 ふたご座流星群極大。
   末   本田・ムルコス・パジュサコバ周期彗星(45P)が近日点を通過。7等台まで明るくなる見込み。

いまや、こうした情報は『天文年鑑』が届いてからおもむろに探し始めるわけではなく、せんだい宇宙館「2017年の主な天文現象」などのお世話になることの方がはるかに多い。
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『本当の夜をさがして』 人類は光害を「害」と認識できるのだろうか
2016-07-19 Tue 00:00
七夕関連企画だったのだろうか?
1607062.jpg6月11日に世界人口の3分の1、天の川見られず 「光害」が影響という記事が出たり、6月30日のAPOD(Astronomy Picture of the Day)は右のThe New World Atlas of Artificial Sky Brightnessという皮肉のこもったタイトルの写真だった。環境省のライトダウン キャンペーンなんてものもやられている。さらに、NHKクローズアップ現代でも「暗い夜が楽しい ~いま星空は見えていますか~」が放送された。番組の中でライトダウンした通天閣の下でインタビューされた子どもが「なんか暗かったら何も面白くない。」と応えていたが、当たり前やん。通天閣だけ暗くしたんでは周りのネオンのしょぼさが目立つだけで、夜は明るい方が良いという負の強化になってしまう。

そして最近届いたのがこの本。
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『本当の夜をさがして
        都市の明かりは私たちから何を奪ったのか』
    ポール・ボガード著 上原直子訳
                白揚社 2016年 2600円

分厚い本なので全部は読み切れないと思うが、どこかで暗い夜を取り戻すための画期的なアイディアに出会えるといいのだけど、、、。多くの人が暗い夜にメリットを感じなければそちら方向へ舵を切り変えることはないだろうし、原発のデメリットだって受け入れてしまう(怖いもの無しの)日本人には明るい夜のデメリットを問題視する余地なんてあろうはずも無い。

天の川を見たいと思った日本人は海外あるいは日本国内では八重山諸島石垣島などへ脱出するしかないかも。結局のところ、美しい星空はお金と時間に余裕のある階層のものになってしまったということなのだろう。
 →星空に一番近い島 八重山諸島
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江戸時代の基礎の上にこその技術立国
2016-06-30 Thu 00:00
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『江戸の科学 大図鑑』 [監修]太田浩司、勝盛典子他 
               河出書房新社 4800円 2016年

蘭学/天文学/地理学/本草学・博物学/医学/数学 和算/化学/銃術/からくり/絵画などの章立てになっている。

内田樹氏の「大学のグローバル化が日本を滅ぼす」を紹介した記事(→16/06/23)に、蘭学者から連なる日本の近代知性の系譜についてS.Uさんからいくつかのコメントをもらっていた。ここで本書をネタにするのはタイミングを見計らっていたわけではなく単なる偶然。しばらく前に届いていて机の上に置いたままだったので腐らないうちに書名だけでも紹介しておこうと思う。
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『天文年鑑』2016年版 今年も早バトンタッチの時期
2015-11-19 Thu 00:00
1511181.jpg11月は来年用の『天文年鑑』が届く月。そして、近くの工場にお知らせする来年の消灯希望日表を作る月。それと、土浦の仲間との星見に適したイベントと日時をピックアップする月。天文活動は低調な1年だったが、『天文年鑑』2016年版をパラパラめくれば今年も星の世界へまた小さな足跡を二歩ほど残せたのかもしれない。
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『天文年鑑』2015年度版
2014-11-21 Fri 00:00
1411191.jpg今年も早『天文年鑑』の季節になった。一年間使ったはずの年鑑なのだが、子供の頃ほど汚れなくなった。天文年鑑2015年近頃は電子版の情報源が使い勝手が良いため、もっぱらそれを開く機会が増えているからなのだろう。しかし、それを考慮したとしても一年の長さはやはり短くなっているのではないのか?ま、そんな今年も星の世界へほんの小さな足跡を残せたかな。
[『天文年鑑2015年度版』より]
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六分儀の使い方学びませんか
2014-08-15 Fri 00:00
1407091.jpg『究極の天測技法』 鈴木邦裕・古荘雅生著 海文堂
               3000円 2014年

『天ガ』2014年8月号の広告に興味を持って購入。はじめにを読むと、「GPS衛星電波に対して外部からの意図的なジャミングやスプーフィングという電波に対するソフトな妨害と、主としてGPS地上関連施設を破壊するなどのハードな妨害によりGPS衛星航法受信機は簡単に使用不可能になることが現実に起こっている。」とか「GPSは電波が弱く、小さな出力でも妨害が可能なため、テロなどによる妨害や悪意ある悪戯により、甚大な被害を受ける蓋然性は高い。」などと、なにか穏やかならぬ状況での使用を目指す技術のようだ。

GPSシステムのテロ対策ではなくても、六分儀の使い方をちょっと知りたいと思うマニアなら買いだろう。

因に、国産の六分儀はタマヤ計測システム株式会社が作っている。また、Amazonでもデービス・マーク15を購入できるようだ。価格は 22,745円也。
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『よくわかる星空案内』
2014-05-27 Tue 00:00
1405141.jpg『プラネタリウム解説者に教わる よくわかる星空案内』
   木村直人著 誠文堂新光社 2014年 1400円

何年か前に『月刊天文ガイド』に1年間連載されていた記事をまとめたもののようだ。観望会などで少し気を入れて説明をする場合の参考になると思うし、ちょっとした雑談で星が話題になった時に分かりやすい話をするにも役立ちそうだ。
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『天体観望ガイドブック 新版 宇宙をみせて』
2013-12-18 Wed 00:00
1310051.jpg『天体観望ガイドブック 新版 宇宙をみせて』
   天文教育普及研究会 編 水野孝雄・縣英彦監修
   恒星社厚生閣 3000円 2013年

本書およびその旧版は天体観望会を開催するときのガイドブックとして企画されたものらしいが、タイトルはそういう意図を強くは主張していないのでうっかり見過ごしてしまいそうだ。ちょっと損しているかも。

というのは、いまや天体観望会を主催することあるいはそのスタッフとして活動することは天文趣味の一分野ともなっているようで、本書の需要はかなりあると思われるからだ。そういう自分も観望会のお手伝いをするのは楽しいと感じている。そういう機会には、多くの人に星を見る楽しさを伝えたいと思っているが、本書の中にはそんな場面で役立つヒントが見つかりそうに思う。
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『天文年鑑』2014年版
2013-11-21 Thu 00:00
1311205.jpgラブジョイ彗星(C/2011 W3)を表紙にした2013年版からバトンを受け継ぐ2014年版の表紙はパンスターズ彗星(C/2011 L4)。

このラブジョイ彗星は太陽をかすめて生き残り「2011年クリスマスの大彗星」とも呼ばれたが、吉田誠一さんのサイトで光度変化をパンスターズ彗星のそれと比較すると、それほど変わらないというか、パンスターズ彗星の方がかなり長期に渡って明るさを保ったぐらいだ。ラブジョイ彗星が日本に現れていたらしょぼくって、パンスターズ彗星がオーストラリアに現れていたら世紀の大彗星だったんだろうなと考えてしまう。

それはともかく、2014年、かすてんのトピックは取りあえず視直径15″になる4月14日の火星最接近だ。
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