2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
PCR検査の意味を考えるための参考資料
2020-05-14 Thu 00:00
・PCR検査は必要か?
 各人の判断が社会の判断につながるので、それを誤らない様にするためにはわかりやすい情報が必要。この記事はけっこういいのではないだろうか。

 この中の赤字部分を理解するのに、条件付き確率について大変わかりやすく解説しているYouTube動画がある。以前Twitterでは紹介したのだがこちらのブログには書かなかったのでここで紹介したい。
 →「YouTube:むやみな検査を行ってはいけない理由、数学的に説明します【条件付き確率】」を紹介する
 これを書いた時は特異度の値が不明だったので70%としたが、その後かなり高く99%以上だと書かれているものを目にした。感染率の値も現実に近くなる様にして改めて計算し直した。
 感度: 70%
 特異度: 99%
 国内の感染者数: 1%(大阪市大の値
としたとき、症状やCT検査での絞り込みをせずにPCR検査を行った場合に正しく陽性判定される確率は41%となる。
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この記事のコメント
「本当にPCR検査は必要か?」が、この間の政府見解「クラスターをつぶし」「感染拡大の押さえ込みに成功」を理論化(「理屈付け」)しているように見えることにまずは眉唾を感じます。
実際、PCR検査による有病者の発見率の低さを強調しますが、この計算が正しかったとしても、統計学者であればこれらは織り込み済みのことであって、当然ここからより正しい「実態」を導き出すための、更なる計算が続くはずです。
2020-05-14 Thu 09:35 | URL | ほくと #-[ 内容変更]
特異度が100%からある程度外れている時に、どれほどの精度で感染率が導出(補正)できるかという問題だと思います。

 全数検査あるいはランダム検査の議論では、感染率を知るのが最終的な目標ですよね。その場合は、検査をしないと情報ゼロだし、検査をしても感染率がまったくわからなかったら意味無しですから、感染率が低い場合に、個人単位の陽性の推定精度が悪いことだけ議論しても意味はなく、全体の正しい感染率の誤差推定をまずしないといけません。この目的からは、個々人の感染の当たり外れはどうでもいいのです。

 逆に、個人の安心のための検査は、最終的に臨床医の判断(臨床医は他の症状も含めて診る)になるからまったく別問題で、全体の統計の話を持ち込むのは話の混同と思います。というか、近隣地域の統計(感染率)がわかっているのが前提と思います。

 数学的な計算は正しいですが、推論の目的がごっちゃになっているように感じます。
2020-05-14 Thu 10:43 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
計算として、面白そうなので、ちょっと試してみました。

感度をα、特異度をβ、真の感染率をk、測定結果の見かけ上の感染率をk'としますと、

k'=kα+(1-k)(1-β)  で、これを1次方程式として解いて、

k=(k'-1+β)/(α+β-1) となり、

これは、α+β≠1ならば、いちおう、解が得られます。

ただし、k'≈1-β の場合は、kの推定の相対誤差が大きくなります。

 たとえば、例として、α=0.8、β=0.99で、k=0.005なら、
k'=0.005×0.8+0.995×0.01=0.01395 です。

これを逆に解くと k=0.00395/0.79 =0.005 で、α、βに誤差があっても、その範囲でなんとか解けるでしょう。

実際の誤差の見積もりは、α、βに相関があったり、k'自体にサンプリングの誤差があったりで難しいと思います。

しかし、この場合でも、陽性と判定された人が正しい陽性判断である割合は、
kα/k'=0.004/0.01395=0.287 
3割に過ぎません。

 程度問題ではありますが、陽性の正答率が低くても、感染率の測定として機能するチャンスはあるように思います。
2020-05-14 Thu 14:39 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>政府〜を理論化(「理屈付け」)しているように見えることにまずは眉唾を感じます。
 自分としては、PCRの的中率は低いから検査を増やす意味はないと読むよりも、そういう性質の検査なのであれば、医師が必要と判断したオーダーの受け入れを確実にすることは当然として、無症状陽性者と軽症患者の観察態勢確立と重症者病床確保ができたところから増やしていくことが医療現場を圧迫しない方法と考える資料の様に感じました。それが、政府見解の理屈付けと重なってしまうのはうれしくないですが、死亡者数が抑えられていることの理屈付けにもなっているように感じます。
 感染流行がある程度落ち着きデータが整理され感染率や致死率などが分かってくると、どのくらいの検査が必要か、受け入れられるかがわかるという、応えがわかったら質問を作れるるみたいな感じになってしまいますが、新興感染症なので仕方がないのかもしれません。
2020-05-15 Fri 13:24 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>感染流行がある程度落ち着きデータが整理され感染率や致死率など

 ちょっと意外に思ったのは、↓で見られる

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

入院治療等を要する者の新規(日々の増減の意味)と重症者数の新規(これも日々の増減の意味)の比率が期間を通して、ほぼ一定になっていることです。だいたい40:1です。検査数の増減は大きくは影響していないようです。

 これが何を意味するのかはよくわかりませんが、実用的には、必要な人に検査をして、軽症の人をちゃんと隔離して観察し、重症化した人は適切なところに入院していただけば、そうそう突然に医療崩壊することはなく、それを恐れずに適切に診断できるのではないかと思います。
2020-05-15 Fri 22:08 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
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